重度障害でも会社を経営する --- 恩田 聖敬

今日はある人にお会いしたことについて書こうと思いますが、その前に講釈にお付き合い下さい。ここでは、仕事における意思決定について考えてみます。

「できる」と「できない」。
「やる」と「やらない」。

二者択一のこの4つの言葉で、何をよりどころにどう決めるかという、意思から行動へのプロセスは描けると思います。具体的に見ていきましょう。

①できるからやる
当たり前ですね(笑)できる仕事はやりましょう。

②できるけどやらない
これは深いです!敢えてやらないのは、タイミングを見計らっているのか?他に妙案があるのか?大きな意思決定だと思います。
実は単なるナマケモノという可能性もありますが、それはやめましょう。

③できないからやらない
これは思考停止状態です。よく「その仕事はやったことないのでできません。」という話を聞きます。しかし、私の子供達含め、子供は毎日幼稚園や小学校でやったことのない、勉強や運動や遊びをやり、できるようになります。子供が頑張っていることです。大人が仕事でできないわけありません。

④できないけどやる
実は、ほとんどの仕事はこれだと思います。やると決めたら、どうしたらできるようになるか考えるだけです。だからこそ、仕事を通じて成長していけるのだと思います。

先日、株式会社仙拓の社長である佐藤仙務さんとお会いする機会がありました。佐藤さんは、生後10カ月で10万人に1人と言われる難病である、脊髄性筋萎縮症と診断され、それ以来寝たきりです。
佐藤さんからしたら、仕事どころか世の中できないことだらけだと思います。

しかし、彼は会社を興して、現在、重度障害者4人で会社経営をしています。寝たきりでもどうしたらできるかという発想しかないのです。佐藤さんは私に「障害者だから出来ないということは何もない。」とおっしゃりました。また、「文句を言うのではなく、行動で良いと思うことを示したい。」とも。

私より一回りも若い青年社長の目は、力強くポジティブに輝いていました。
いつか、会社を上場させるという夢もお持ちでした‼︎

私もALSになっても、出来ないことは何もない。
そう信じます。

佐藤社長、勇気をありがとうございます!

ちなみに、佐藤社長はサッカー大好きとのことです。FC岐阜の応援もお願いします!

恩田 聖敬(おんだ・さとし)
1978年(昭和53年)岐阜県生まれ。京都大学大学院卒業後、2004年複合レジャー施設「JJ CLUB 100」を運営するネクストジャパンに入社。2009年には取締役就任。その後グループ会社であるアドアーズの常務取締役として全国のゲームセンター店舗を回り、希望退職を実施し、大規模な改革を行う。親会社のJトラストでM&A等を担当した後、14年4月に岐阜フットボールクラブの代表取締役社長に就任。サービス業の経験と、会社管理の経験をフルに活かし、サッカービジネスにエンターテイメントの要素を導入も、社長就任と同時にALS(筋委縮性側索硬化症)を発症。病を公表後も社長業を続投したが、15年11月末の公式リーグ最終戦を以って病の進行により、止む無く社長を辞任。


この記事は、岐阜フットボールクラブ前社長、恩田聖敬氏のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2016年2月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。