東京のダメポイント、6点。その3。
3 金融
◯クレジットカード普及率が低い
「他の先進国に比べてクレジットカードの普及率が低い(正確には、所有枚数は多いのに使用率が低いようです)。スーパーやドラッグストアをはじめ、大手チェーンではクレジットカードの使用に問題がないですが、レストランでは夜は使えてもランチでは使えなかったり、その他業種でも導入されていない店舗もまだまだ多いように思います。また、使えたとしてもJCBとVISAのみだったりと、ブランド制約があったりします。タクシーも、使える場合と使えない場合があり、分かりづらいです。」
「カード文化が全く根付いていない、これダメだと思います。このせいで全部一手間かかる気がします。LINE MUSIC、AWAがミスってるのもこれのせいだと思います。」
「今は外貨を稼ぐ時期だというのに中国のunion pay(銀联カード)がホテルのレストランに導入されていないのは、とても勿体無いと思います。」
欧米では、駐車場、地下鉄、スーパーなど小口の支払いも、カードを自販機やスロットに差し込んでさっさと済ませ、現金を出すことが実に少ない。現金はタクシーぐらいでしょうか。
日本がなかなかそうならないのはなぜでしょう。店舗やシステムの問題というより、現金好きのシニア世代が切り替えようとしないから、ということでしょうか。
20年前、当時三ツ星だったパリのトゥール・ダルジャンで接待をしていたら、隣の日本人旅行客ご一行が、支払い時、「現金で」と、50万円を超えるであろうフランの札束を懐から出し、店員も他の西洋人の客たちも驚いてみんな見に来て、逆に日本人ご一行がなんでやねんと驚いていたことを思い出しました。
◯電子マネーが煩雑
「いろいろな種類の電子マネーが出ていて、海外から来たら分かりにくいのではないでしょうか?Suica/PASMOが交通機関や自動販売機でも使えて最も普及しているように思いますが、セブンイレブンに入ればnanacoを推していますし、消費者視点ではなくサプライヤー都合という感じがします。」
でもおサイフケータイであれこれ使えるのは東京のいい点ですよね。外国人観光客には使い勝手が悪いと思いますが。ぼくは日本の他都市でもおサイフケータイでタクシーに乗れる日を待ちます。
(つづく)
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2016年2月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。