安倍首相、オバマ大統領、習主席…これらは皆、一国のリーダーですが、名前の後の「首相」や「大統領」という称号によって違いはあるのでしょうか?そもそもフランスのオランドさんは首相?大統領?韓国のパクさんは?今回は内閣総理大臣、首相、大統領などある各国の長について調べてみました。
大統領と首相との違い
各国のリーダーには大きく2つあります、直接国民に選ばれる大統領タイプ(大統領制)と国会の議決で選ばれる首相タイプ(議院内閣制)。日本のリーダーは首相タイプで、アメリカのリーダーは大統領タイプです。
大統領制とは?
大統領制では、国のリーダー(大統領)は直接有権者の投票で選ばれます。有名なのはアメリカですね。最近でも大統領選挙が盛り上がっています。
身近なところでは、日本の地方選挙の市区町村長選挙や知事選挙はこのタイプです。市区町村の有権者が直接市長を選びます。前大阪市長の橋下徹さんは選挙で大阪市民に政策を直接訴えて盛り上がりました!
大統領制では大統領と国会議員とで選ばれ方が全く違うので、大統領と国会は直接の関係はありません。関係ないので、国会は大統領をクビにすることは基本的にはできません。自分で辞めるなどよっぽどのことをしない限りは決められた任期を全うすることになります。
議院内閣制とは?
議院内閣制では、国のリーダー(首相)は国会で選ばれます。つまり、有権者はリーダーを直接選ぶわけではありません。有権者が選んだ国会議員が首相を選ぶというわけです。そうなると、選挙で多数派になった党の党首が首相になる確率が高いということになります。国会議員を選ぶ選挙は、事実上首相を決める選挙にもなるわけです。日本やイギリスがこの制度を採用しています。
議会の多数派が代われば、首相も代わります。だから、首相の任期は決まっていません。また、議会からの信任がなくなれば首相でいられなくなりますので、頻繁に交代してしまう事もあります。
首相と大統領ってどっちがすごい?偉い?強い?
このように書くと国民に直接選ばれた大統領の方が…という気がしてきます。アメリカの大統領ってだけで何でもできそうな気がしますしね。
しかし、必ずしもそうではありません。大統領制では、法案を審議し可決するのは国会の仕事です。そのため、大統領の所属する政党と国会の多数派政党が異なることがあり、大統領が公約で訴えた政策が実現できないことが多々あります。オバマ大統領も国民皆保険制度(オバマケア)を議会で可決させましたが、オバマケアに反対する共和党が議会の多数派になったことで予断を許さない状況になっています。
一方、議院内閣制では、首相の正統性は議会による信任にあります。つまり、国会議員が首相を選びます。よって、基本的に議会の多数派政党と首相の所属する政党は一致します。そのため、首相が訴えた政策は国会の支持を得やすく、実現しやすいのが特徴です。
結局、大統領制か議院内閣制かによってリーダーの力が変わるわけではありません。
議院内閣制の方が国会の多数派とリーダーの所属政党が一致することが多く、その場合多くの法案を成立させられますが、有権者にとっては直接選んだ人ではないので、不満が残ってしまう事もあります。
ここまで書いておいて何ですが、そもそも、国のルールが違うのですごい、強い、偉いということは国によって定義が異なるので決められません…
ちなみに 各国リーダーのお給料
各国リーダーの給料というのは基本的に各国の法律で決まっています。
例えば、日本国首相は現在205万円で月給の18%(東京都特別区)に当たる「地域手当」が加わった241万9千円が支給されています「日本国首相なのに思ったより少ないな…」とか「大したことやってないのに貰い過ぎだろ!」など色んな声が聞こえてきそうです。
ちなみにアメリカ大統領は年40万ドル。今のレートで約4500万円です。
一番多いのはシンガポール首相で年170万ドル。約1億9200万円だそうです。
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編集部より:この記事は、選挙ドットコム 2016年3月2日の記事を転載させていただきました(タイトル改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は選挙ドットコムをご覧ください。