まだアクティブ運用で消耗しているの? --- 内藤 忍


本日の日本経済新聞のコラム「大機小機」に興味深い内容が掲載されていました。アクティブ運用とインデックス運用に関する賛否です。

日経平均のような市場の平均値に連動する成果を目指すのがインデックス運用です。市場平均を上回る成果を敢えて追い求めず、平均を着実に取りに行くインデックス運用に対し、上昇相場ならインデックス運用で良いが、下げ相場でインデックス運用を受け入れるのは怠慢な運用だという声もあるそうです。上げ相場か下げ相場かは、事後的にしかわからないのですから、資産運用をやったことの無い「評論家」のコメントです。

それはともかく、注目すべきはファンドの過去の運用実績です。日本株に投資する運用期間が5年以上の国内設定投資信託(上場投資信託を除く)のうち、資産規模が大きい上位10のファンドを選択すると、インデックスファンドとアクティブファンドが、5本ずつで同数になりました。

その運用実績を比較してみると、過去3年でも過去5年でも、5本のインデックス・ファンドが4本のアクティブ・ファンドを上回るという結果になりました。つまり、インデックス運用を上回ることのできたアクティブファンドは5本のうち1本しかなかったそうです。

このデータに限らず、長期の運用実績という点で、インデックス運用が大きな優位性を持っていることは業界関係者であれば誰でも知っている「不都合な真実」です。今後、インデックスファンドの信託報酬が競争激化によって低下していく流れもありますから、運用コストも含めて考えれば、どちらの運用方法を活用すべきかは、さらに明らかです。

全てのアクティブファンドの運用成績が悪いとは言いません。例えば、日本株の中小型株ファンドの中には、機動的な運用を行いインデックスを上回っているファンドも存在します。しかし、投資にできるだけ時間をかけたくない忙しいビジネスパーソンは、アクティブファンドの選択に時間をかけるより、コストの低いインデックスファンドをサクッと選んで、それらを組み合わせた金融資産運用を行うことを優先すべきです。

そして、投資にかける時間が取れるなら、金融資産の選択ではなく、実物資産の歪みを見つけることに時間を割く方がメリットが大きいというのが私の意見です。

本ブログで以前イケダハヤトさんの「まだ東京で消耗しているの?」という本を紹介しましたが、運用成績の良いアクティブファンドを追い求めている個人投資家の皆さまには「まだアクティブ運用で消耗しているの?」と言いたい気持ちです。

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※内藤忍、株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。