どうも新田です。怒りっぽい割に「熱男」と呼ばれたことはありません。さて、永田町は今日から緊迫しそうですが、パ・リーグの方は昨日で早くもケリが付いたような気がして、気が緩んでしまいました。あーあ。
(共同通信)ソフトバンク、今季3度目の7連勝 ロッテは3連敗
http://www.nikkei.com/article/DGXLSSXK00162_Z20C16A5000000/
明日からセ・リーグとの交流戦になりますが、とりあえず、2年連続日本一、大本命のホークスが、ここまで2位と食らいついていたロッテに対し、逆に同一カード3タテの返り討ちを食らわせてしまいました。早くも6ゲーム差。もちろん、開幕ダッシュに成功したチームが対戦相手の変わる交流戦でリズムを崩した例はそれなりにありますけれども、2010年の交流戦のように上位6チームが全部パになっちゃうような「パ高セ低」の傾向であったり、ホークスの交流戦成績も昨年は優勝(12勝6敗)、一昨年も2位(14勝8敗2分け)ということで、勢いは止まらない気がしてきます。
仮に今年も日本一を取ると、3年連続というのは、あの全盛期の西武ライオンズが達成した1990〜92年以来の快挙となります(あ、そういえば4番を打っていた人が明日判決を迎えますね)。まあ、V9時代の巨人なり、広岡−森体制の西武なり、圧倒的に強いチームがいるというのは、いかにも昭和的、55年体制的な安定構造だったのかもしれませんが、ホークスは営業面で12球団一の売上を誇っており、フロントでもグラウンドでもその存在感は、「九州の巨人」どころか「一人メジャー」みたいに際立っております。
「かつての西武や巨人のように凋落する日もいつかは来るのではないか」という指摘もありましょうが、往年の西武はそもそもビジネス的に難しい環境でした。巨人と微妙に商圏がダブっている上、所沢の山奥にあって、Jの浦和レッズのように振り切った埼玉県民球団になれるかというと、中途半端な状況が続いており、メディアの注目も巨人メインという首都圏特有の事情に逆らえぬまま、全盛期は過ぎてしまいました。
一方で、ホークスは、九州の広い商圏を背景にチケット収入もメディアの注目度も域内では独り占めというというべき地盤を背景にしております。しかも親会社のソフトバンクは着々とグローバル化を進めておりますから、ドメスティック産業でこのまま行ったら少子高齢化で衰退必至の新聞社や鉄道会社を親に持つ状況と異なることは言うまでもありません。
そうなんですよ。野球好きのお父さん方は、どうしても巨人や阪神の方が際立っていた時代のイメージから、なんだかんだ工藤さんと日本シリーズで互角に戦う由伸やアニキの勇姿を思い浮かべましょうが、日本球界がかつて経験したことのない格差社会が到来しつつあることを認識したほうがいいのです。
それでいてメジャー帰りの和田君を呼び戻し、松坂君のリハビリにも何億も出しちゃうくらい昔の巨人みたいな懐の余裕さも見せるわけですから、もうお手上げです。ここまで育成から即戦力補強まで両立してしまうあたり、とっくに巨人や阪神を凌駕しております。
巨人や阪神ですらそういうわけですから、幕張の海辺で細々とやっている我がロッテのような球団を含めたパの他の5球団との格差など、恐ろしくて考えたくもありません。まあ、九州に近い北海道という広大な商圏を持つ日ハムが今後、新球場開発でそれなりに盛り上がるでしょうが、ロッテ、オリックスのような物好きが熱烈に応援しているけれど、経営環境の制約の大きなチームは、もう二度とペナントフラッグを取れないのではないかという気もします。これは別に自分がロッテファンだからいうのではなく、長い目で見て野球人気に水を差さねばいいが、という危惧をフラットに持っております。
今週の永田町は解散するのかどうか見ものですが、自民1強状態が長く続き、政権から遠ざかった野党がどんどんヘタレになると投票率が下がっていくのと、野球界が同じような展開にはならないでほしいと思います。まずはドラフト改革とFA権取得の超短縮化、真剣に議論せざるを得ないんじゃないでしょうか。ではでは。
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新田 哲史
アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト
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