鯖江市JK課への賛歌、豊橋JK広報室質問より

6月6日(月)、豊橋市議会にて、「豊橋市役所JK広報室」について、質問しました。

先の記事同様、こちらも聞いていた方から、「議員の発言は素晴らしかった」と、新しい変化を望む激励メッセージや、僕のことを小学生のときからから知る方から、「聞いてて、涙が出そうだった」という言葉もいただきました。

以下、質問原稿より、議会でのやり取り(要旨)です。

長坂質問

大きい6.「JK広報室」について、お聞きします。
先月5月24日、「豊橋市役所 JK広報室 メンバーを募集します」というプレスリリースが出されました。市役所サイトでは、「JK広報室」をこのように説明しています。
「「豊橋市役所JK広報室」は、市制110周年を10代~20代を中心とした若い世代に対し、幅広く知っていただき、イベント等への参加の増加を図るため、市制110周年を機に豊橋市がスタートさせた実験的な市民協働推進プロジェクトです。 
地元のJK(女子高校生)たちが中心となって、自由にアイディアを出しあい、さまざまな市民・団体や地元企業、大学、地域メディアなどと連携・協力しながら、市制110周年の広報と自分たちのまちを楽しむ企画や活動を行います。」
そして、翌25日付の中日新聞には「福井県鯖江市が2014年4月に発足させた「JK課」を参考にした」という記述、同じく、翌週31日付の朝日新聞には「地域おこしに取り組み話題を集めた福井県鯖江市の「JK課」に習って」とあります。
そこで、お聞きします。
(1)参考にされた福井県鯖江市役所のノウハウ、及び現在の関係や今後の連携などについて
行政が他地域の成功事例を取り入れる際、表層的な部分を真似るだけで、肝の部分が全くわかっておらず、魂が入らず、失敗するという話をよく聞きます。 「劣化コピー」とも言われます。
鯖江市役所がJK課で大きな成果を上げた、そのノウハウを、本市はどのように取り入れていくのか、また、現時点で鯖江市役所の経験がどのように活かされているのか、そしてそのための、鯖江市役所との現在の関係や、今後の連携の可能性などについて、お答えください。
(2)「豊橋市役所JK広報室 ガイドライン」について
先日「豊橋市役所JK広報室 ガイドライン」というものが、市役所サイトに掲載されました。 その中に気になる記述がありました。
【設置の背景と目的】の部分です。引用します。
「そこで、豊橋市役所広報広聴課内に「JK 広報室」を設置し、自由な発想と想像力に加え、鋭い感性と一般市民の感覚を兼ね備えた女子高校生によるPR(Public Relations)チームを結成し、自らが企画した 110 周年記念事業の広報・広聴活動を実践することを通じて、様々な世代との効果的な情報交換や対話を行い、市民の地域活動事業への参加意欲の向上を図るとともに、若者や女性の行政参加の活発化を目指します。」
気になる箇所は次の2点です。
「女子高校生によるPR(Public Relations)チーム」
「広報・広聴活動を実践」
本来ならば「広報チーム」「広報活動」となるはずですが、この部分が、PR(Public Relations)となったり、広聴という言葉が加わっていることについて、その意図・意味・考え方をお答えください。
(3)「JK広報室」の名称について
メンバー募集のプレスリリースから、各紙面やインターネットを賑わせています。週末にはNHKニュースや、Yahoo!のトップページにも掲載され、更に今朝、東京MXTVのモーニングCROSSでも取り上げられ、発足前から既に本市の認知度向上に寄与し、感心しております。
中でも特に注目されているのが、この名称です。そこでこの「JK広報室」という名称について、新聞などでの報道や、応募状況など当事者である女子高校生からの反響・反応も踏まえ、考えをお聞かせください。
その際、「JK」と「広報室」、双方の言葉、それぞれについても言及ください。
以上で、一回目の質問を終わります。

豊橋市役所・企画部長

(1)参考にされた福井県鯖江市役所のノウハウ、及び現在の関係や今後の連携などについて

今回、「豊橋市役所JK広報室」プロジェクトを企画するにあたりましては、鯖江市役所の担当職員や、JK課の提案者であり、発足時から運営にも深く携わってみえる慶應義塾大学特任講師の若新雄純氏に直接連絡を取りまして、これまでJK課に関わってこられた経験をもとに、事業を進めるにあたっての体制づくりや留意点などについてアドバイスをいただいております
具体的には、女子高校生に対する姿勢や態度など運営面に関することのほか、女性職員によるサポートチームを結成することや、メンバーのプライバシーの保護を最優先し、保護者および高校との連絡や協力体制を構築することなどのサポート面に関することでございます。
鯖江市や若新氏からは、「姉妹プロジェクトとして進めていきたい」というお話をいただいておりますので、若新氏にはJK広報室の「顧問」をお願いし、鯖江市からも引き続きアドバイスを受けながら進めてまいりたいと考えております。

(2)「豊橋市役所JK広報室 ガイドライン」について

JK広報室のメンバーには、情報発信する「広報」とあわせて、多様化する市民の意見 や要望などを聞く「広聴」の部分でも活躍いただきたいと考えていることから、もともと相互にコミュニケーションを取る意味を持つ、PR(パブリックリレーションズ)という言葉を使用しております。
これは、鯖江市役所JK課の発案者である若新氏から、鯖江市での経験で、女子高校生は、様々な世代とコミュニケーションを取る力が非常に高く、性別・世代を超えた市民の声を集めることができる存在であることが認識できたことから、こうした強みを生かしながら、幅広い世代の方々との効果的な情報交換や対話を通じ、様々な声を行政に反映できるものと期待できるとのアドバイスから、女子高校生によるPR(パブリックリレーションズ)チームとしているものです。

(3)「JK広報室」の名称について

「JK」という言葉には、使われる場面によっては良くないイメージをお持ちの方もおられるかも知れません。 しかしながら、昨今では女子高校生が日常的に使うようになっており、自らのことを「JK」と呼ぶ高校生も多く、彼女達を含めた若い世代にとっては非常に身近な言葉となっております。 また、「広報室」につきましては、「広報広聴課」といった、堅苦しいものではなく、女子高校生に参加してみたいと思ってもらえる、スマートな名称としたものです。
こうした名称とすることにより、女子高校生のみなさんがこのプロジェクトを身近に感じ、興味や関心を持つことで、多くの方に参加してもらえるのではないかと考えたもので、すでに先週末で9名の方から応募の意思表示がございます。
 
参加する高校生自身が、この言葉に若者らしい積極的かつ、さわやかな意味を見出し、従来の行政運営に新風を吹き込むような斬新な活動をしてくれることを期待しております。
 
また、本プロジェクトにおける彼女たちの真剣な活動により、一部の方がJKという言葉に抱くマイナスイメージを払拭したいとも考えております。

長坂質問(2回め・おわり)

先の3月定例会にて、「ファーストペンギン」という言葉が、何度か聞かれました。 その「ファーストペンギン」をただの変わり者で終わらせるか、リーダーへ引き上げるかは、それに続く最初の「フォロワー」次第です。
この度の市民協働推進プロジェクト「豊橋市役所JK広報室」が、鯖江市役所の「JK課」に続き、その経験を活かし、発展させようとするものであることが、わかりました。 それは、女子高校生の情報発信力だけでなく、聞き取り能力共感能力、「性別・年代を超えた市民」からすれば、そのしゃべりやすさを高く評価し、広聴による市民協働推進に彼女たちの力を借りたい、ということ。 そして、鯖江市から「姉妹プロジェクト」という言葉が出るほどの、理解を得ていることも。
つまり、「JK広報室」の成否は、もう豊橋市だけの話ではありません。 豊橋市が「よきフォロワー」になれるかどうかが、鯖江市のJK課が、ただの「変わり者」で終わるか「リーダー」になるかの、重要な鍵を担っています。 同様の若者向け市民協働推進プロジェクトが今後、全国に広がるかどうかは、豊橋市にかかっています。
私は、変化なきところに、進歩はないと考えます。 すでに、多くの反響・反応がありますが、これは2年前の鯖江市から、十分に予想できたことです。その上で、豊橋市役所が、変化をおそれない、腹を括ったのだと感じ入り、その決断は、高く評価しています。
もちろん、本プロジェクトに限ることではありませんが、事故などないよう、安全管理にも十分配慮されてください。

 さて「名は体を表す」という言葉のように、名称はとても重要です。JKという言葉について、賛否ありますが、これまでの文脈を踏まえれば、その最たるは、鯖江市の「JK課」への敬意、「JK課」のようにという気持ちが込められたものと理解します。

今年で3年目をスタートした「JK課」は、様々な意見・注目の中、名称を変えるという判断はせずに活動を続け、現在、総務省のふるさとづくり大賞や、社会科の教科書副読本の表紙を飾るといった評価を受けるまでになっています。
豊橋市が名称を変更することで、自身を否定され、最も傷つくのは彼女たちでしょう。 彼女たちのこれまでの取り組みや、思い、そして涙を踏みにじることは、決してしないでください。
そして、「JK広報室」には、既に9人の応募があったと聞きました。 私のインターネットでの情報発信を見てか、私の前からの友人も応募したようです。 本人の許可を得た上で、彼女からのメッセージを紹介します。
 
「JK広報室をやろうかなって思った理由は、

JKって響きに気軽さを感じて、やりたいなと思いました

女子高生だと堅いし、政治的でちょっとめんどくさそうだけどJKだったので今風でどんなことをするんだろうってワクワクしました!(びっくりまーく)

それはきっと世の私と同世代の子達も一緒だと思います(○´ー`○)(にこっ、という顔文字)

なので私は1JKとしてこのJK広報室を推して行きたいと思います

私達がやろうとしていること、可能性をそんな名前程度で潰されるのは嫌です。なんで横槍を入れられなければならないんですかね

斜めからの意見で私達を決めつけないでいただきたいです

以上ですw(小文字のダブリュー)」

以上で、私からの2回めの質問を終わります。

先週末から様々なメディアで、JK広報室のことが取り上げられていますが、読んだ中で、もっとも丁寧に書かれていると思ったのがこちら。

新聞やテレビは、紙面や時間の制約があるとはいえ、鯖江市担当者の言葉まで掲載されているのは、こちらだけ。

細かく見ると、JK広報「課」や、鯖江市役所市民「恊」働課など、誤字があるのですが、ネットメディアだからと言って、取材力がないとか、そういうことはないのだと、痛感・反省しました。

ねとらぼ様、記者の黒木貴啓様、これからも是非、豊橋市を見守っていただければ幸いです。

では!


愛知豊橋・長坂なおと のblog より

プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ