無党派のみなさま、こんにちは。
先日、こんな記事を書きました。
もしあなたが自分の一票の価値を最大限効果的に活用したいと思うのであれば、このあたりも頭の片隅に、今回の愛知県選挙区でのボーダー、つまり当落線上の候補者を見極めます。 つまり、今回当選するのは4人ですから、4位か5位になりそうな人は誰か、という話です。
10人の中で、特に4位・5位前後の人を見極めて、そのどちらかで自分がよいと思う「政党」の人に入れるのです。
– 本日!参議院選公開討論会、僕はここを見る – 愛知豊橋・長坂なおと のblog
http://nagasakanaoto.blog.jp/160614.html
6月22日に告示日を迎え、選挙運動期間に突入しました。
そして24日、各紙で情勢が発表されました。 各紙の見出しは、
改憲4党、3分の2うかがう 参院選序盤情勢・朝日新聞社調査:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/DA3S12424403.html
改憲勢力「3分の2」巡り与野党攻防…序盤情勢 : 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2016/news2/20160624-OYT1T50016.html
参院選:改憲勢力3分の2うかがう 毎日新聞序盤情勢 – 毎日新聞 http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160624/k00/00m/010/124000c
改憲勢力が3分の2うかがう 共同通信、序盤情勢:参院選2016 全国:中日新聞(CHUNICHI Web)
http://www.chunichi.co.jp/article/senkyo/kokusei201607/zen/CK2016062402000310.html
ここまで見出しが揃うものか、とあんぐりしてしまったわけです。
安倍総裁が掲げた目標、「自公で改選過半数」は、今のところ、余裕な情勢です。
各紙、申し訳程度に、「情勢が変わる可能性もある。」という趣旨の文言を付けていますが、これは本当に気休め程度なものだとお考えいただくのが、各事案に賛成の人も反対の人も、精神衛生上よいかと思われます。
なぜか。
国政選挙になると、各紙そのくらい「ガチ」で、調査しています。
「世論調査」と呼ばれますが、その実は、数万人単位の国内有数規模の統計調査です。
市議会議員選挙などでは、そのような調査が行われないため、各紙の「情勢」もそれぞれの記者が、肌感覚や、見聞きした範囲で書いているものなので、「番狂わせ」が起こったりもするのですが、これだけの調査が行われている国政選挙では、「泡沫」が当選することは、残念ながらありません。
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さて、愛知県選挙区の情勢も各紙が伝えています。 冒頭で、
特に4位・5位前後の人を見極めて、
としましたが、これだけの調査が行われていますので、実はその見極め、それほど難しくありません。
さすがに新聞記事で、「●●%の人が支持」と書くのは憚られるため、「優勢」「劣勢」などの言葉に変換されていますが、その裏では各紙、かなり確実性の高い数字(データ)を把握しているのです。
では、各紙がどのように報じているか、調査規模の大きい順に見ていきます。
まずは、朝日新聞(41,579人)。
<調査方法> 22、23の両日、コンピューターで無作為に作成した番号に調査員が電話をかける「朝日RDD」方式で、全国47都道府県を対象に調査した。作成した番号のうち、世帯用と判明した番号は全国で計7万7648件、有効回答は4万1579人。回答率は54%。
– http://www.asahi.com/articles/DA3S12424403.html
藤川・里見・斎藤は安定 伊藤と須山激戦 奥田が追う(見出し)
藤川、里見、斎藤が安定した戦いぶりで優位に立っている。 伊藤と須山が激戦を繰り広げ、奥田が懸命に追う。 中根、平山、井桁は厳しい戦いとなっている。
– 6月24日朝刊紙面より
(1~3位) 藤川氏(自民・現職) ≒ 里見氏(公明・新人) ≒ 斎藤氏(民進・現職)
(4、5位) 伊藤氏(民進・新人) ≒ 須山氏(共産・新人)
(6位) 奥田氏(減税日本・新人)
というわけです。
敢えて「≒」という記号を使いましたが、実際は、記事中で書いてある順番にも意味があると考えた方がよいでしょう。
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続いて、読売新聞(27,640人)
各選挙区で6月22日から23日にかけて、RDD(Ramdom Digit Dialing)方式による電話世論調査を実施した。
コンピューターで無作為に作成した固定電話の番号に電話し、18歳以上の有権者が在住する世帯の有権者の中から調査対象者1人を無作為に指定した。 目標回答人数は、1選挙区あたり500人~1200人。 有権者が在住する5万943世帯のうち、2万7640人から回答を得た(回答率54%)。
調査は日本経済新聞社と協力して実施した。 基礎データのみを両者で共有し、集計、分析、記事作成は独自に行った。 調査実務は日経リサーチに委託した。
– 6月24日朝刊紙面より
藤川・斎藤が先行 愛知(見出し)
改選定数が1増えて9人の候補が乱立し、混戦模様となっている。 藤川と斎藤が先行し、里見と須山、伊藤がデッドヒートを展開している。
– 6月24日朝刊紙面より
(1、2位) 藤川氏(自民・現職) ≒ 斎藤氏(民進・現職)
(3~5位) 里見氏(公明・新人) ≒ 須山氏(共産・新人) ≒ 伊藤氏(民進・新人)
この記事では、残りの4候補についての言及はありませんでした。
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そして、毎日新聞(27,500人)
22、23日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に調査員が電話をかけるRDS法による調査をJNNと協力して実施した。 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。 選挙区ごとの目標回答数は、改選数1=500▽同2=750▽同3、4=1000▽同6=1200。 全国の有権者2万7500人から回答を得た。
– http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160624/ddm/005/010/052000c
藤川氏 幅広く浸透 里見、斎藤氏に安定感 須山、伊藤氏競り合う(見出し)
自民現職の藤川氏が党支持層の大半を固め、頭一つ抜け出した。 公明新人の里見氏は連立を組む自民の推薦も得て安定した戦い。 民進現職の斎藤氏は出身母体の連合愛知などの組織票を手堅くまとめた。 共産新人の須山氏と、2議席を狙う民進の新人、伊藤氏が最後の議席を激しく争っており、与党批判票の取り込みに加え、連合票の民進2人への割り振りが鍵を握りそうだ。 地域政党「減税日本」新人の奥田氏はおおさか維新との共同候補だが、郡部で支持の広がりに欠ける。 社民新人の平山氏、こころ新人の井桁氏も伸び悩んでいる。
– http://mainichi.jp/senkyo/articles/20160624/ddm/010/010/049000c
見出しの一部は、6月24日朝刊紙面より
(1位) 藤川氏(自民・現職)
(2、3位) 里見氏(公明・新人) ≒ 斎藤氏(民進・現職)
(4、5位) 須山氏(共産・新人) ≒ 伊藤氏(民進・新人)
(6位) 奥田氏(減税日本・新人)
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最後に、中日新聞(27,000人・調査は共同通信)
調査は有権者約二万七千人から回答を得た。
– http://www.chunichi.co.jp/article/senkyo/kokusei201607/zen/CK2016062402000310.html
自・公・民を共産追い上げ(見出し)
改選数は1増の4議席となり9人が競う。 与野党が2議席ずつ分け合う形で序盤戦が進むが、無党派層の8割が態度未定で情勢は流動的だ。
自民藤川は同党唯一の公認候補として盤石の態勢。(略)
公明里見は公明支持層の8割以上を固めた。(略)
民進新人伊藤は、出馬表明が遅れたものの連日の街頭演説で勢いが出てきた。 連合組織内候補の民進斎藤も組合からの手厚いサポートによって有利な戦い。
(略)共産須山は政権批判票の受け皿とアピールし、追い上げる。
(略)「減税日本」の奥田は、おおさか維新の公認も受けるものの、出遅れが響き伸び悩む。
社民の平山、日本のこころの井桁は埋没気味で苦戦している。
民進党のお二方がまとめて書かれているため、順番がぼやけてしまっています。 だから、多少強引ですが、見出しにも合わせて、1~4位をまとめました。
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というわけで、4紙の結果を併せると、現状は、
(1位) 藤川氏(自民・現職)
(2位) 斎藤氏(民進・現職)
(3位) 里見氏(公明・新人)
(4位) 伊藤氏(民進・新人) ←
(5位) 須山氏(共産・新人) ←
(6位) 奥田氏(減税日本・新人)
と言えそうです。
冒頭でお伝えした、当落線上の4位5位は双方とも、1人区では統一候補を立てている野党候補のため、どちらが当選しても、与野党の議席構成への影響はとても少なそうです。
もちろん、情勢が変わる可能性もありますので、あくまでご参考まで。
おそらく、投票日までにもう1,2回このような調査結果が報じられると思いますので、ご注目ください。
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余談ですが、読み比べて 毎日新聞だけが唯一、候補者の名前に「氏」を付けていることに気付きました。
おそらく社内ルールと思われますが、たった1文字のこれだけでも、その記事に丁寧な印象をいだいてしまうので、不思議なものです。
では!
愛知豊橋・長坂なおと のblog より
プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ