『私の原点~2004年6月30日~』
本日6月30日、私は新会社を設立しました。
5月10日の私の38歳の誕生日から、クラウドファンディングを始め、過去から現在に至るまでに出会った方、そして誕生日以降に新しく出会った方、数多くの方々に支えられて、今日という日を迎えることが出来ました。本当にありがとうございます。
そんな皆様に是非知っておいていただきたいことがあります。
それは、なぜ私が6月30日の創業にこだわったのかについてです。
この日には、私の仕事への思いの原点が詰まっています。
話は12年前にさかのぼります。
私は社会人当初、カラオケ、ビリヤード、ダーツなどが遊び放題の、複合型アミューズメント店舗で接客業をさせて頂いておりました。入社早々、新規店舗のオープニングスタッフとして配属され、目の前の事に体当たりでぶつかる毎日でした。
店舗運営のイロハも色々と分かり始め、スタッフの結束も強まり始めた6月最終日。月の売上目標まであと数十万円。通常営業の平均日次売上では届かない数字です。これに対して、スタッフ皆で何としてでも達成しようと立ち上がりました。社員・アルバイト、皆いつの間にか休日返上で駆けつけていました。
当時勤務していた店舗は24時間営業で、売上の締めは翌朝8時となっていました。料金体系は15分100円という時間課金となり、お客様の滞在時間に比例して、売上が上がる仕組みでした。スタッフ全員、少しでも滞在時間が伸びるよう、最大限のおもてなしに努めてくれました。
しかし、深夜4時の時点で、店内のお客様全員が朝8時までいてもらっても、目標売上には届かないことが判明しました。この時間以降の新規来店は通常見込めません。
『じゃあ、どうする?』
我々はあきらめませんでした。待っていても駄目だ、店外にお客様を誘いに行こうと動き始めました。私は店舗の制服、新卒同期(前秘書Y)はウサギの着ぐるみを纏い、スーツ姿の店長と3人で、深夜4時に自転車で共に街を走り回りました。隣駅の居酒屋で、閉店処理をしていたスタッフを出待ちして口説いたり、コンビニにいる人を誘ったり、なりふり構わず声をかけました。
やることはやったと店舗に戻ると、その努力が実り、そこから7名の来店をいただきました。その結果、6月の月間売上目標16,000,000円に対して、16,008,962円となり、何とか目標を達成することができました。当時の深夜帯のお客様1人あたりの単価は、1,500円から2,000円でしたので、まさにギリギリの達成でした。
午前8時。通常シフトなら、スタッフは2人しかいない時間に、10人以上のスタッフが達成の瞬間を見たいと残ってくれていました。その後、朝から乾杯して、皆で涙ながらに喜び合いました。そして、我が店舗は、月間最優秀店舗賞を獲得します。
これが私の仕事の原点です。
諦めないことの大切さ、仲間がいることの心強さ、何にも代え難い達成感。
新卒3か月で、この日を経験できたからこそ、今の私があります。
この後も仕事を通じて、数多くの得難い経験をすることが出来ました。
ALSになったからと言って、私の仕事への思いは全く変わりません。
あの日のことを「思い出」だけにするつもりはありません。
これからも仕事して、あの日の達成感を追い求めたいと思います。
今一度、12年前の今日に思いを馳せて
新会社の門出としたいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
株式会社まんまる笑店
代表取締役社長 恩田聖敬
社名の由来・事業内容など、設立会社の詳細情報はコチラ↓
https://ondasatoshi.com/company/
随時更新します!
この記事は、岐阜フットボールクラブ前社長、恩田聖敬氏のブログ「片道切符社長のその後の目的地は? 」2016年6月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。