選挙なので書いておきましょうか。
これはないな……。
Facebookやツイッターで三宅洋平氏を支持する投稿が流れてくるんですが、ぼくは支持しません。
言わずもがな個人的な表明なので、「支持している奴はアホだ」とかいうつもりはないですよ。個々人の自由ですから。
支持できない理由は、多くの方が問題視するように「内海聡氏の発言」を擁護していると取れる投稿をしている点。
ざっくりいうと、
- 内海聡というお医者さんが、「障害者の親は、障害児を生んだことを一生反省しろ」というトンデモ発言を投稿し、炎上。
- 「炎上の仕方に疑問がある」として、内海氏の発言を擁護しているように読めるコメントをFacebookに投稿。
という流れ。投票の参考に、三宅洋平氏の発言(2015年)を具体的に抜き出しておきましょう。太字はぼくが施してます。全文はこちら。
(略)今朝、内海氏の元文章読んでみて、相変わらず炎上は読解力ないか元文章読んでない人たちが「歪曲」してしまってる情報が多いと感じた。
障害のすべてが親の世代での食生活など環境因子によるものとは思わないけれど、もっともつよく影響するとは思うし、今では日本中の土壌が農薬(撒いてない土地にも、何十年も飛散したものが溜まっている)や大気汚染による化学物質、電磁波、放射性物質にまみれているわけで、いくら健康に気を使っていても防ぎきれないほど遺伝子や細胞を傷つけるものとともに僕らの肉体は生きている。香料まみれのケミカルシャンプーを使い続けたお母さんの胎盤からシャンプーの匂いがする、という有名な話は少なからぬ助産婦さんたちが口にするところである。
内海さんが言いたいのは、これから産む人も含めて、そういう事実を大切に、体を大切に生きていこう、大切にできる社会を作っていこう、そのために国や企業が広める情報だけを鵜呑みにせずみんなが賢くなっていこう、ということに読めるんだが、間違ってるかな?
そして、障害をもつ子を産んだ人も、そのことを反省しつつも、その反省を生かしながら障害とともにその子を大切にしていこう、そして障害を受けとめることに障害のない社会にしていこう、というふうに読めるんだが、ちがうのかな。
「いや、親が反省する必要はないでしょ!w」という当たり前のツッコミが通用しない感がキツいですね。
三宅洋平氏が「賛同しているか」は不明ですが、これは「否定しないとヤバい」考え方です。リーダーとなる人が、中立的な態度で聞き流すのはダメですって。
「親が反省すべき」という理屈は、科学的ではありません。「障害児が生まれたこと」は、ほんとうに、親のせいなのでしょうか?
より深刻なのは、こうした発言は、きつい状況にいる人を、もっときつい状況に追いこみます。
自閉症の子どもを悩みながら育てている親御さんとかに読ませたら、マジで追い込まれますよね。こわっ。政治家なら否定しましょうよ、そこは……。
あとは、「お母さんの胎盤からシャンプーの匂いがする」というあたりが、果たして本当に科学的に確認されているのかが気になりますね。シャンプーの香料成分って、そんなに長期間残るものなのでしょうか?
これも訂正あったのか不明ですが、「震災当日」に「俺は地震兵器を疑っている」と書き込むあたりも、科学的じゃない感じがしてヤバい香り……。訂正があったことを祈りますが、調べても出てきませんでした。
「科学的に確認できる真理」に基づくリーダーを。
「疑う」のは立派ですが、それで終わってる(ように見える)のは、端的に言ってダメですよね。
結局、地震兵器の仕業だったのでしょうか?そこを確認しないと、「ただ単に陰謀論を撒き散らして、社会を不安にさせ、情報弱者を扇動させただけ」じゃないですか。
三宅洋平氏の投稿をみるかぎり、彼は「ちゃんと確認してから発言する」という態度が欠けているように見えます。
個人としてはそれでもいいと思いますが、そういう人が政治家として上に立つのはかなり恐ろしい。「感情に基づいて作られた、それっぽいロジック」で、人を扇動させることができてしまうわけですから。
水素水ブームを煽って大儲けできちゃう人と一緒ですね。あれはぼくには、倫理的に真似できない……。
せめて、「少なからぬ助産婦さんたちが口にするところである」という態度ではなく、「俺は実際に胎盤の匂いを嗅いだが、たしかにシャンプーの匂いがした」と書いてほしいですね。人々の声を代弁するだけでは不十分。それを主張するのなら、しっかりと確認してから語ってほしい。
「じゃあ誰がいいのよ?」という質問については……うーん、誰に入れようかなぁ。今回も共産党に入れるしかないのだろうか……。個人レベルだともうぜんぜんわかりません。
その点、多くの政治家は三宅洋平氏を見習って、情報発信をすべきだと思います。こういう動画とかすばらしいですよね。
「選挙へのアプローチ」を評価して三宅氏に投票するのは、ありでしょうね。うーん、ほんと誰に入れようか……。
おときたさんのも合わせてどうぞ〜。
政治初心者を自負する方々はぜひ、鵜呑みにせず視野を広く持っていただきたいなと…。
この記事は、イケダハヤト氏のブログ「まだ東京で消耗しているの?」2016年7月7日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいたイケダさんに御礼申し上げます。オリジナル原稿を読みたい方はまだ東京で消耗しているの?をご覧ください。