鳥越俊太郎氏は出馬を辞退すべきだ


鳥越俊太郎氏の街頭演説の全文書き起こしがあるが、正味20分で「舛添は無駄遣いした」という周知の事実を批判して「都民の税金は大事にしろ」とか「住んでよし、働いてよし、環境によし」というスローガンを繰り返すだけで、具体的な政策は何もない。

第一の問題としては、格差の問題があります。必ずしもみんなが豊かではない。貧困率は、一定程度東京都も貧困のなかにあります。みんながお金持ちであるわけではない。ほどほどの生活をして苦しいなかで生活をやりくりしている。でも、生きているんです。人間ですから。やっぱり、住んでいい、というようになりたいじゃないですか。

こんな調子の中身のない話が繰り返され、都政で何をするのかはまったく出てこない。途中で何度も言葉がとぎれ、「え~」「あ~」が繰り返され、アルツハイマーの兆候が感じられる。きょうもテレビ討論をドタキャンした。これでは討論に耐えられないからだろう。

鳥越氏は素人だから知識が乏しいのはしょうがないが、知事に出馬するという意向を表明してからでも3日あったのに、何ひとつ政策がないのは、病気のせいだけではない。彼を支援する4党が政策協定を結んでいないからだ。

たとえば宇都宮健児氏が反対していた築地市場の移転には、民進党が賛成している。「野党統一」といっても、社民や生活なんて無に等しいので、共産党の動員力に頼る選挙戦になる。かつての美濃部知事のように、実質的には「共産党候補」になるだろう。

それ以前に選挙戦を最後まで戦えるかどうかもあやしい。他の2候補は1日6ヶ所から8ヶ所の演説をしているのに、鳥越氏はきのう1ヶ所、きょうは2ヶ所(すべて代理)だ。大平正芳のようになったら、彼を擁立した野党は責任を取るのか。

街頭演説もできない彼が、知事の激務に耐えて4年の任期をまっとうできる確率はきわめて低い。彼は癌が全身に転移しており、5年生存率は10%台だ。大量の抗癌剤を毎日飲んでいる副作用で軽い躁状態になっているのかもしれないが、冷静に自分の健康状態を考え、みずから立候補を辞退してほしい。