アキバの女性専用異業種交流会に参加してみた

尾藤 克之

交流会(8/8)にて撮影。手前スーツが方喰。正面写真はNG。

皆さまは異業種交流会と聞いて何を思い浮かべるだろうか。かつて、異業種交流会(以下、交流会)といえば大規模なものが主流だった。より多くの参加者を集い、マッチング回数を増やすことで機会効率を高めることに主眼が置かれていた。

●変化する最近の交流会

しかし、この類の交流会は主催者の「ピンはね臭」が漂っている。通常、主催者は損をしないことが前提のうえで交流会を開催するが、毎回、同じ人が参加し同じ形態であれば得るものは少ない。

また主催者に「ピンはね臭」が漂っている場合、参加者にも「売り込み臭」が漂っているものだ。「今回の交流会を通じて顧客を増やしてやるぜ!」と息巻いている人がほとんどだ。こうなると、交流会の趣旨が「おこぼれをもらいたい人」が必然と増えてくるため「give and take」にはならない。

そして、人とのつながりは簡単に結びつくものではないことに気がついた参加者は、やがて交流会に嫌気がさすようになる。従来ほど、交流会の話題を聞かなくなったのにはこのような背景があるのだろう。

そのようななか、女性専用交流会が増えている。女性活躍の推進に向けた活動が一般的になるなかで趣向も多様化している。「女子管理職交流会」「女子経営者交流会」「化学系女子会」など趣向もかなり細かくセグメントされている。今回は、『とことん調べる人だけが夢を実現できる』 (Sanctuary books)の著者であり、女性専用交流会を運営する、方喰正彰(以下、方喰)に話を聞いた。

――方喰は、別名「秋葉原で活動するコンサルタント」と称されているそうだ。方喰自身も秋葉原観光推進協会の会員であり、秋葉原を拠点に活動をしている。まず、交流会の目的について次のように述べている。

「参加者は、交流会でキーマンに会えることを期待します。そのためには不特定多数の参加者を集うよりも少人数でよりセグメントされた交流会のほうが効果的です。大規模な交流会の場合、どうしてもコミュニケーションの質が下がります。全員と名刺交換をしても、名刺コレクターになってしまうため、かえって機会損失になってしまいます。」(方喰)

――次に女性専用交流会にした理由について聞いた。女性は、女子会にあるような、女性だけのトークを楽しみネットワークを構築したいという意識が強いことを挙げている。

「交流会を女性限定にすることで、ざっくばらんに話せるようになり打ち解けやすいという効果があります。最初の頃は、男性を入れたこともあるのですが、評判になることで申込が殺到することがありました。こうなると、交流会としての本来の目的が達成できなくなります。いまは、女性限定のみの開催として限定するようになりました。しかも、守秘性を高めており交流会の日程や私の写真も非公開としました。」(方喰)

――少々、流れを紹介しておこう。方喰の交流会では出席者全員が自己紹介と事業紹介をする。それに対して、方喰自身が全体をファシリテートしていく。出席者全員がお互いについてある程度理解した時点で、「私たちは○○に強い会社です」「××のような会社を探しています」というような自己アピールをしてマッチングシートを記入していく。これは、婚活パーティなどにおける「マッチングシート」に似ているかも知れない。

●女性専用のメリット

「多くの女性起業家には、そこに至った経緯やビジョン、独自の判断基準や仕事観などが存在します。お互いの情報を詳らかにすることは大きな気づきになります。交流会は、出会いやきっかけ作りの場ですから、個々に連絡を取り合うなどの交流も必要ですが、そのための土壌づくりまでを交流会でおこないます。」(方喰)

今回の交流会(8/8)には、人材育成研修会社社長、カウンセラー(メンタルヘルス・心理学)、ゲームシナリオライター、西洋占星術研究家、特許・発明家、現役キャビンアテンダントなど、幅広い業種からの参加者が見られた。上手に活用すれば、人脈が広がり、仕事が充実するきっかけになりそうだ。今後の動きに注目したい。

尾藤克之
コラムニスト

PS

7月26日開催の「第2回著者発掘セミナー」は好評のうちに終了しました。多数のご参加有難うございました。なお、次回以降の関連セミナーは8月末頃に公開する予定です。