- 連載記事「中国の『公式失業率』はなぜまったく動かないのか?」の一部とほぼ同じ内容を、若干記述を変えて利用しており、かつ連載記事の「図表1 失業率推移」をそのまま掲載している。なお、連載記事の「図表1」は、図表下に記載した(出所)を主要文献とし、他のデータも利用して、私が独自に作成したもの。
- 連載記事「中国の全国GDPと地方GDPの『かい離』をどう見るか?」の3分の1ほどの記述を、ほぼそのまま利用し、かつ「図表 全国GDPと各地方GDPのかい離」と同一の図表を掲載している。なお、当該図表は、図表下に記載した(出所)を主要文献とし、他のデータも利用して、私が独自に作成したもの。
以上が事実とすれば、明らかに高橋および講談社による金森氏の著作権侵害である。これについて金森氏は講談社に対し、上記2を指摘した上で、事実関係の調査申し入れを行った。
ところが講談社は「著者である髙橋洋一氏が、中国経済についてはあまり明るくないということであったので、指摘された部分はみな、講談社のデータマンが連載記事を見て用意した。その際、データマンが引用元を明記することを怠った。したがって、この責任は著者ではなく、講談社にある」と答えたという。
これは誤りである。上杉隆の事件の東京高裁判決で確定したように、第三者が読売新聞の記事を無断複製したものを上杉の名で発表した場合、著作権侵害の責任は著者にある。この講談社のような言い逃れを許したら、私が「データマン」に名前を貸して本を出し、それが著作権を侵害しても責任を負わなくてすむので、盗用はやり放題だ。
今回は講談社の使ったゴーストライターが金森氏の連載を盗用したものと思われるが、その責任は講談社と著者の高橋が負う。したがって「今後、仮に書籍を増刷する場合には、デジタル版と同様の修正を行う」という対応ではなく、講談社はただちにこの本を絶版にして店頭から回収し、謝罪広告を出すべきだ。
追記:嘉悦大学の掲示した講談社の経過報告書は、上記の事実関係を認めた。大学は「本学においての研究不正等の問題は無かった」と釈明しているが、これは問題のすりかえだ。高橋の容疑は「研究不正」ではなく著作権侵害であり、金森氏が警察に被害届を出せば高橋は検挙されるだろう。