東京都福祉保健局も「殺処分ゼロ」を明言!

上田 令子

東京都議会は決算特別委員会真っ最中ですが、その間一般会計の7分の1を占める一兆円予算を持つ厚生委員会の事務事業質疑が11月1日にありました。30問一本勝負で臨みまして、まずは、都の動物愛護施策の方向性について一歩前進した言質をとりましたのでご報告いたします。

昨今「ネコノミクスは2兆円産業」などと、もてはやされ、ペットをめぐる経済効果ばかりが注目され、動物たちがモノ扱いとなって、生き物としての命の尊厳が大きな危険にさらされております。知事は所信表明で歴代知事で初めて「優しさに溢れる「ダイバーシティ」の観点から、ペット殺処分ゼロの実現も、メルクマールの一つだ」と「殺処分ゼロ」を掲げました。これは里親推進と同じく画期的な方向性を打ち出したということです。

この委員会資料を見ればお分かりのとおり、、世田谷区など人口も多く面積も広いのに江戸川区が最も動物の収容数が多く胸が痛みます。動物愛護施策は、江戸川区議会時代から取り組んできたので、念願の都議会厚生委員となり私は、これまでの都の動物愛護事業の課題をふまえ、新知事の新たな方針のもと大きな期待をこめて、実際の事業でどう実現をしていくのかチェックさせていただきました。

■事業者指導の徹底を
まず、地域住民とともに、全国初劣悪猫カフェの資格取り消しまで東京都を動かしたことは動物愛護の観点からは福音ではあるものの、残念ながらこうした事案は氷山の一角です。当該事業は、現状形を変えて店舗営業を続けているのではないかとの危惧の声が、お姐のもとに届いておりました。この事例も含め第一種動物取扱業者に対する指導監督状況と課題を問うと「定期的に立ち入り法に基づき監視指導を実施。」しているとのこと。それは当たり前です、なのになんで、そこまでほっとかれたの?!と思いますよね。しかーしちゃんと進化しておりました!劣悪猫カフェ資格取り消しは都民からの通報から明らかになったことを受けてか「都民等から苦情を受けた場合は、速やかに立入検査」をするとのこと。問題のある事業者に対しても、これまでよりも重点的に監視指導を行い、勧告や命令を出す姿勢を示しました。当たり前といえば当たり前なのですが、このように積極的に勧告や命令へ論究することは長らく、予定調和に進んできた東京都議会の質疑答弁の中では画期的なことと言えます。要は必要とあらば伝家の宝刀を抜きます、つまり公権力の行使をしますということなのです。
また、こまっちゃちゃん事業者には研修や、法改正、新たな規制について情報提供や指導をするということです。ちゃんとやっていただきましょう!

■地域猫対策の推進
江戸川区議時代に、地域猫対策にて去勢の補助を無事区議会一同心ひとつに実現しました。前出の票を密と人口、面積と比例しないことを鑑みれば地域ごとの取り組みの格差のように見受けます。以下取り組み状況の委員会資料を取り寄せましたが、江戸川区が入っていてほっとしました(笑)。

このこれまで行ってきた包括補助事業に加えて、今年度から、飼い主のいない猫対策事業を重点的に実施するため、総合的な対策を実施する場合に、先駆的事業と位置づけた新たな包括補助事業を開始しているとのことです。これって各自治体の手上げ方式、ようは「やります!」ってとこに補助が出ます。、皆さんの自治体はいかがでしょうか?ぜひお住いのお役所に取り組み状況を確認していただきたいと思います。東京都は情報提供はしている!とのことなのでお尻を叩いて頂けたら幸いです。

■殺処分ゼロにむけて

これまでの殺処分の推移です。減ってきたとはいえ平成27年度はいまだ816頭(うち203頭は苦痛からの解放のため)ということになっています。このペット・動物たちの「殺処分ゼロ=メルクマール」小池知事発言を受けて、では今後具体的に福祉保健局ではどうしていくかということが気になるので質したところ「都は、これまで動物愛護管理推進計画に基づき、動物の致死処分数の更なる減少を目指し、動物の適正飼養や終生飼養の普及啓発、ボランティア団体等と連携した譲渡活動など様々な取組を推進」と答弁。まあ…これって…何度も聞いてきたからなぁと聞き流して(失敬!)いたところ

嬉しく裏切られる?耳を疑う言葉が、担当部長から飛び出てきたのであります!

「2020年東京大会までに、動物の殺処分ゼロを目指す」

動物愛護については私のみならず多くの議員が質疑を繰り返してきた中で、時限を設けて殺処分ゼロを明言したのは初めてでした。

動物愛護相談センター視察にも行き、動物たちがどう「処分」される現場が頭に浮かんで、これまた胸がいっぱいになりました。

殺処分ゼロにむけて「今後は、飼い主のいない猫対策、離乳前の子猫の育成や譲渡、子供を対象とした普及啓発など、区市町村との連携を一層強化し、動物愛護推進員やボランティア団体、都民の理解や協力を得ながら、取組を進めていく」とのことで、地域ボランティアとの連携も明言したことも前進といえると思います。

■地域力が実現の鍵

(都庁かがやけTokyo控室にて猫会議。なんだかみんな猫みたいですねw)
どこの自治体にも地域猫活動を行政とともに担いたいという団体NPO個人がいます。実際に劣悪猫カフェバスターズ(笑)は、江戸川区や他区の地域住民や地域猫活動をしている都民の皆様でした。私も今後、都民やNPOさんや区市町村と、東京都の架け橋(というか猫道?)となりまずは、都がハンドリングがきく都有地や公園から順次、地域猫活動を開始していけるよう尽力してまいります。

【お姐総括!】

写真は、お姐宅隣組の美容室のオーナーが自腹で地域猫活動して去勢した猫ちゃんズ。
登下校の子ども達に愛でられ、一期一会の命で終生船堀の町で暮らします。

まずは、目の前の一匹から!

☆お姐、法や条例のもと設置されていながら運用で機能していない行政機関を今後も監査してゆけ!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

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