ゴミ箱設置場所でポイ捨ては増える、減る?ゴミの量を数値化し正しいアクションへ

グリーンバードの活動でお掃除をしていると、どれだけ拾っても無くなることのないポイ捨て問題をなんとかできないものかと感じることもあります。

こうした環境問題に取り組むベンチャー企業のピリカ株式会社についてご紹介します。
京都大学の研究所から生まれた企業で、人工知能によりポイ捨て問題を無くすというサービスを提供しています。

株式会社ピリカ

ポイ捨て調査・分析「タカノメ」
人工知能の力でポイ捨てのない街をつくる
「タカノメ」は人工知能を用いた画像認識技術でポイ捨てごみの分布や深刻さを計測することのできるシステムです。
調査結果を活用してポイ捨て防止施策の効果測定や改善コンサルティング、都市開発、研究などを行い、ポイ捨てのない街づくりに貢献します。

面積や気温などは数値で実態を把握ことができますが、ポイ捨てに関しては定量的なデータを取ることができませんでした。
そこで、ピリカさんではスマホのカメラを用いて、画像認識によりポイ捨ての情報を定量的に把握することができるソリューションを開発しました。

これまでは、
「ゴミ箱を置くとポイ捨てが減るんだ!」
「いやいや、どんどん増えてるよ!」
「このエリアはゴミが少ない!」
「いや、多い」
など、根拠のない議論が行われてきました。

しかし、定量的なデータがあればポイ捨ての原因を解明したり、ポイ捨ての多い場所を中心に対策を行うことができます。
ゴミが少ないと思っていた場所でも、他のエリアと比較すると相対的に多いなんてこともあります。

例えば、コンビニの周りにはポイ捨てが多いものです。
不思議ですが、なぜかコンビニの種類よって、ポイ捨ての量に差があるようです。
そこで、店舗のお掃除に関して提案を行うことが可能となります。

また、自動販売機とゴミ箱がセットになっている場合もあります。
最初はキチンとゴミ箱に捨てられますが、いっぱいになってしまうとゴミ箱の上や周辺に空き缶やビンのゴミが散乱してしまいます。
その場合には、データに基づきゴミ箱の容量を増やすことでポイ捨てを減らすことも可能です。

そして、基礎自治体もゴミ問題に関して一定の予算を投じていますが、すでにピリカさんでは自治体での実績もお持ちです。
自治体では、どこにポイ捨てが多いかを調査したり、タバコのポイ捨てを阻止するために駅前に人を配置したり、ゴミ拾いイベントを行なったりしていますが、どれだけ効果が出ているのか、本当に効率的な事業なのか把握することは難しいものです。

これからは自治体がポイ捨てのデータを調査し、適切な事業を行うことが求められます。

また、ゴミ問題は基礎自治体が対応することになっていますが、区界などでに多くゴミがたまってしまうこともあります。
自治体間での連携あるいはデータを比較するためにも、広域自治体として調査を行って効率化していくのが良いのではと思います。

新たなテクノロジーへ積極的に投資し、予算の圧縮と質の向上を両立していくことが大切です。

ピリカ株式会社の小嶌社長は京都大学大学院を退学し、株式会社を設立することで環境問題に挑戦しています。
ゴミ問題を解決しようということであれば、NPOなどが選択肢としてすぐ浮かびますが、テクノロジーを用いることで問題を解決しようという発想は私には到底思い浮かぶものではありません。

こうした取り組みがまちづくりに活かされていくことになるため、今後の活躍にも注目していきたいと思います。

それでは本日はこの辺で。