人知れず廃刊になっていた築地市場移転推進マガジン…

上田 令子

 本日も豊洲新市場の是非を問い、経済港湾委員会が延々と行われております。今後どう着地するか注目はされるところでありますが、まずは、小池知事になってなかったら一体全体どうなっていたのか、新しい事実が明らかになっていったことを一つ一つ評価して堅実に先に進んでいることに都民の皆様はご理解給われたら幸いです。その証左として議論する議会体質に急変してるということです。かがやけTokyoでは、両角みのる幹事長がメンバーとなっている豊洲市場問題特別委員会も早急に開かれることを心待ちにしております!

 さて、ただいま都議会は決算特別委員会の真っ最中であります。お姐が議員になって以来、自分の報酬以上に節約をさせる!ということを旨として07年当選以来議会活動をしております。

 日本中注目の豊洲市場問題にも盛り土・地下水、入札をめぐるブラックボックス等の陰に潜む、便乗事業などが隠れていたりするものです。
  そんな視野をもって、一昨年の決算特別委員会は中央卸売市場担当でしたので、ネチネチ調べておりましたら、こんな冊子を都民情報ルームで発見した次第でございます。

「東京いちば ぱど」(編集・政策:株式会社ぱど)「Tokyo Ichiba Walker」(株式会社KADOKAWA)

 誰のために、なんのためにあんの?? 

 ということで、当時の管理部長(現:東京都外郭団体しごと財団理事長←現役出向中!)に何を目的に作成し、誰に周知をすることを念頭に入れているのか、配布方法、対象について、その費用対効果について質してみました。

中央卸売市場管理部長「多くの都民に卸売市場の役割や機能を理解してもらうため、平成24年度から広報プロジェクトでありますTOKYO ICHIBA PROJECTを開始。築地市場移転の必要性に対し、広く都民の理解を促進するため、ららぽーと豊洲店のラジオタイアップイベント、豊洲新市場用地等を見学するバスセミナー、豊洲新市場ガイドブックの発行などを実施。決算額は9千179万9千円。計4回、計20万部発行。築地市場駅などの各駅や都内の郵便局、都庁、各市場、市場まつりなどのイベント等で配布。
 内容は築地市場で働いている方々の声を通じて、市場の魅力や豊洲新市場への思いなどを発信いたしました。これに対して、多くの都民の方から、築地市場移転の必要性について理解が深まったとの回答を得た(←お姐注:ほんとか?!)」

 つまり、本来11ある市場全体の活性化約1億プロジェクトで、移転推進キャンペーンをしていたということですね。

 でもこの冊子どんだけ影響あるんでしょ?花のお江戸1300万都市での20万部で1億円ということで、単純に割ると1部500円。花の江戸川区67万都市でお姐広報ですら20万部全戸配布していて、しかも1部5円程度。ずいぶんと費用対効果が悪いなあと思ったので、

 …やめたらどうでしょう?

 と提案してみました(鬼)

管理部長「TOKYO ICHIBA PROJECTは確かに約1億円だが、プロジェクト全体その中の一つとして「Tokyo Ichiba Walker」の発行※をしている。PROJECTで、築地市場の移転の必要性に対する都民の理解促進を行ってまいりました。豊洲新市場の施設建設が目に見えてくる中で、新市場の魅力やより具体的な機能を周知する段階に入ってございますので、引き続き、都民の理解を深めるための取り組みが必要。
(お姐注:発行誌予算は1800万程度でした)

と、奮起して言い切るので、お姐は、営業損失を国庫交付金や一般会計補助金の外部資金で穴埋めすることで健全経営を図っていて、一般会計の原資もまた税金であることを念頭に、不要不急の歳出を防ぎ無駄のない健全経営を求めた次第。
(直訳:公営企業※でありながら独立採算叶わず、都民の税金の補てんなくして経営がままなら中央卸売市場の経営において、一銭の無駄も許されません!)
※中央卸売市場は知事部局に分類。昭和41年の地方財政法改正の一部改正が行われるまで準公営企業という認識としても分類されていた。

 …で、結局、築地市場の移転の必要性に対する都民の理解促進キャンペーンの成果・結果はどうだったか。
「新市場の魅力やより具体的な機能を周知する段階」はどうなってしまったのか。

 もはや説明する必要もありませんね、合掌。

 そして、その後、委託先が変わり「東京いちば ぱど」となりましたが、この度の開業延期にかかる騒動を待つまでもなく、28年2月をもって、このキャンペーン誌は、廃刊となりました。
 どうしても日本の行政も議会も予算重視です。ましてや、新規事業を始めさせることが政治家の仕事!と勘違いしている議員も多数おります。本来は新規事業の必要性を問うのが議会の仕事であるのに…。

 決算年度における自治体及び首長の主要政策はもとより、個々の事業をにおいて、期待した効果、予算額以上の成果を上げたのかを厳しく精査をし、ひとつひとつの無駄を議事録が残ることに決算特別委員会審査で指摘して不要なものはやめさせていく。これぞ、決算主義なのであります。

【お姐総括】
議員よ!決算主義者たれ!!願わくばあわせて自由主義者であれ!

☆お姐、取り急ぎ都議報酬程度の歳出削減できたな!?ノルマ達成(笑)!☆

上田令子 プロフィール

東京都議会議員(江戸川区選出)、地域政党「自由を守る会」代表、地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)副代表
白百合女子大学を卒業後、ナショナルライフ保険(現ING生命)入社後、以降数社を経て、起業も。2007年統一地方選挙にて江戸川区議会議員初当選。2期目江戸川区議会史上最高記録、2011年統一地方選挙東京都の候補全員の中で最多得票の1万2千票のトップ当選。2013年東京都議会議員選挙初当選。2014年11月地域政党「自由を守る会」を設立し、代表に就任。2015年3月地域政党サミット(全国地域政党連絡協議会)を設立し、副代表に就任。

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