来年の都議選は小池さん次第。維新には風は吹かない

早川 忠孝

小池百合子氏都知事選サイトより(編集部)

トランプ氏が次期アメリカ大統領になることが確定した。
日本でカジノ解禁法が成立したからと言って、トランプ氏からカードを学ぶ必要はないだろう。
トランプ氏から学ぶとすれば、何と言ってもトランプ氏の陣営の選挙戦術、選挙戦略ということになる。

得票総数で280万票以上ヒラリー・クリントン氏が上回っているのに、アメリカの大統領に就任するのはトランプ氏の方である。変な選挙だな、と思うが、変な選挙でも選挙は選挙だ。

トランプ氏の陣営は、さぞかし見事な選挙戦を繰り広げたのだろう。
どうやっても勝てそうもない選挙区は捨て、拮抗している選挙区に力を集中する。

勿論勝てそうな選挙区は、支持基盤を相手候補陣営から崩されないようにしっかりと手を入れておく。
ラストベルトにトランプ氏の選挙陣営は一生懸命力を入れていた、と聞くと、なるほどこれがトランプ氏の選挙か、と腑に落ちてくる。

クリントン陣営は、有権者が多い大都市を集中的に攻めていたのに、トランプ陣営は経済的に困窮している人が多いいわゆるラストベルトに力を入れていた。

選挙を細かく見ていれば当然だな、と思うが、しかし選挙戦を戦っている人にはなかなかそういうことが分らない。
トランプ陣営の選挙参謀の方が一枚上手だった、ということになる。

日本でも選挙参謀なり選挙コンサルタントが役に立つのは、まさにこの一点だろうと思う。

強い選挙区はさらに固め、弱い選挙区は捨て、激しく競り合っているところを重点区にして力を集中する。
まあ、今まで自民党がやってきたことだ。

私が知っている限り、そういうところにまで手が届く選挙コンサルタントはいないのだが、自民党本部の選対は、長年の積み重ねから似たようなことをやってきているのだと思う。

さて、来年の東京都議選はどうか。

東京の場合は、ほとんどの選挙区がよく分からない選挙区になっているのではないだろうか。

小池さん次第である。
小池さんの人気次第というところである。

小池さんの人気が無くなれば、小池さんの声掛けで選挙に出た人も大した結果を出せなくなる。
一方、小池さんの人気が益々高くなれば、小池さんの声掛けで選挙に出たというだけでそこそこの成績を納めるようになる。

維新の方々には、風は吹かない。

池の端で水をパシャパシャやっている程度だ、などと小池さんのやっていることを茶化したり、小池さんに水を掛けるようなことをしていたのでは、東京の有権者は維新の旗の下には集まらない。
ちょっと軽率な物言いをしましたね、というところである。

機先を制したつもりが、このままでは悪手になってしまいかねない。

東京では、くれぐれも小池さんと対立されないことだ。
維新では、小池さんを超えることは出来ない。

まあ、いずれ分かることだが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年12月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。