皇室典範特例法の形が見えてきた

陛下の退位はどう定まるのか(首相官邸サイトの有識者会議の模様から:編集部)

元旦の新聞に載るように、周到に計算してきたのだと思う。

複数の新聞が同じような論調で天皇の譲位(生前退位)問題を取り上げていたから、宮内庁や内閣官房からの示唆ないし組織的リークがあったということだろう。

今月の20日頃に公表される予定となっている有識者会議の結論の骨格みたいなものが今朝の主要紙に載っていた。

皇室典範の改正で進むべきだと言うのが民進党の論点整理で示された民進党の意見のようだが、民進党の論点整理は女性天皇や女系天皇に道を拓こうとしているだけのように見えて、今上天皇が退位された後の今上天皇の身分や処遇、皇太子をどうするのか、という大事な問題についての答えを回避するようなところがあったが、今日の新聞報道では現皇太子が天皇になられたら現皇太子の弟君の秋篠宮が皇太子としての職務を受け継ぐ、という仕組みを考えているようだ。

特例法にすることで、特例法の第一条に今上天皇限りの譲位であることを明記しようというのだから、天皇の譲位(生前退位)制度の濫用ないし恣意的運用の虞は相当減殺できるような印象である。
まあ、これでも皇室典範の全面改正という難しい議論に持ち込もうとする人が出てくるのは抑えられないだろうが、こういう考えを叩き台にして衆参両院議長の下で丁寧に議論を尽くせばそれなりの合意に達することが出来そうである。

おう、結構、知恵があるな。
いいんじゃない?というところだ。

大筋でよければ、結構、結構、と声を上げておくのがいいだろう。

私は、こういうことは当面はアバウトでもいい、という立場に立っているので、とりあえず、結構です、と申し上げておく。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。