「解散については嘘を吐いていい」は永田町だけの神話

衆院本会議で演説する安倍首相(首相官邸サイトより:編集部)

鈴木宗男さんはこういうことについては実に正直で多弁な人だから、ついつい真に受けてしまう人が多いだろうが、やはり今は誰にしても「嘘を吐いてもいい」などという物言いはされない方がいい。

政治の世界では、益々フェアであること、清廉であること、正直であることが求められてくるはずだ。
どんなことにしろ、一旦「嘘を吐いてもいい」などという観念に取り憑かれてしまうと、何かにつけて不正直になったり、腹黒になったりするものだ。

騙し討ちの安倍、などというありがたくない綽名を後世に残すようなことはすべきではない。
まあ、今月と言うところを今年と言い間違えたのはご愛嬌の類だが、意図的に嘘を言ったのでは総理としての品格を落とす。

最新の情報としては、予算の成立までは解散のかの字も念頭にはない、というのが安倍総理の発言のようである。

これなら、十分理解できる。
安倍総理は、微塵も嘘を吐いていない。

ああ、安倍さんは予算成立直後の解散を狙っているな、と思う人はそのように動けばいいだけの話で、予算成立直後に本当に安倍総理が解散するかどうかは、その時にならなければ分からないことだ。

嘘はついてはやはりいけませんね、ぐらいのところを永田町のコンセンサスにした方がいい。
そういう意味では、鈴木宗男さんは旧世代に属している政治家だと言わざるを得ない。

それを言っちゃあ、お終いよ、というところである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。