装輪装甲車(改)試作品納入

清谷 信一

写真提供:防衛装備庁

コマツが開発した装輪装甲車(改)の試作品が1月10日に納入されました。
主要諸元は以下の通りです。96式と比較してみましょう。

装輪装甲車(改)          96式
全長:約8.4メートル       6.84メートル
全幅:約2.5メートル      2.48メートル
全高:約2.9メートル       1.85メートル
乗員定数:11名         10名
重量:約20トン         14.5トン

96式に較べてかなり大きくなっていることもがわかります。
写真はモジュラー装甲を装着指定ない状態のようですが、示されている重量がそれ込みなにか、否かはまだわかりません。
それと全高がかなり高く、下部構造を写真から見る限り、対地雷防御もあるていど考慮されているように思えます。

重量は4.5トンほど重たくなっており、乗員も1名増えており、車内容積は拡大されていると考えられます。
車幅は96式よりも広くなったものの依然道路法の規制の2.5メートルに抑えられております。恐らくベースは既に開発されたNBC偵察車をベースに開発されたのではないでしょうか。
外見から見る限り、タイアも小さく、不整地性能はさほど高いようには思えません。

具体的な論評は控えますが、あまり期待を持てそうもありません。
導入にあたり、諸外国のサンプルと性能や運用性、調達性を比較した上で採用を決定すべきではないでしょうか。


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2017年1月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。