豊洲移転は見切り発車しなくてよかった、というところか

早川 忠孝

新たな調査結果の発表で、混迷を深めそうな豊洲市場(東京都サイトより:編集部)

豊洲市場の地下水モリタリングの第9回目の調査で環境基準値の79倍に当る有害物質のベンゼンと、検出されてはいけないシアンが数十か所で検出された、というのは由々しき事態だろうと思う。

橋下氏はこの種の問題について専門家並みの知識があり、造詣が深いのかも知れないが、ここはやはりまずは専門家の皆さんの議論に委ねるのが穏当だろう。

どうせ大した結果は出ないのだから豊洲移転の延期などもってのほかだ、などという論調の方もかつてはおられたが、門外漢の私などは、やはりあの移転延期決定は間違っていなかった、やはり相当の根拠がない限り見切り発車などするものではない、と改めて思っている。

これで益々豊洲市場についての風評被害が大きくなるぞ、と心配される方もおられるが、やはり安全確認しないままでの操業開始は事業者が返って大きなリスクを抱え込むから、ある程度慎重に対処した方がいい。

豊洲がどうも上手く行かないからやっぱり築地だ、などと早合点されないことだ。
異常な数値が出てきた原因の究明とその除去が出来ればいいだけのことだから、然るべき専門家の方々の英知を結集すれば何とかそれなりの対処が出来るはずである。

最後は、行政の長である東京都知事の小池さんが責任を取ればいい。
もう、小池さんは誰に責任転嫁することも出来ない。
一切の泥を被るつもりで、自ら決断されることである。

こういう事態を招いたことへの責任追及は、都議会の方にお願いされるのがいい。
多分、都議会議員の皆さんは、自分たちの不明を恥じながら、真摯に解決策を探求されるはずである。

いくら何でも、今回のモニタリングの結果について小池さんの責任追及をする頓珍漢な都議会議員は一人もいないはずだ。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。