お寺の住職に聞いた!なぜ朝の過ごし方は大切なの?

尾藤 克之

写真は枡野氏(townnewsより)

みなさんは、「運」について考えたことがあるだろうか。「自分は、どうして運に恵まれないのだろう」「もしかしたら、幸運とは縁がないかもしれない」。運のなさ、不運を嘆き、幸運をつかんでいるように思える人が目につく。自分はその列に加われない。

曹洞宗徳雄山建功寺住職であり、庭園デザイナー、多摩美術大学環境デザイン学科教授の肩書きをもつ、枡野俊明(以下、枡野氏)は、「幸運は選ばれた人だけが手に入れるものではありません。自分で引き寄せつかむもの。それが幸運です」と述べている。

■朝の10分は夜の一時間に匹敵する

――みなさんは、「朝」についてどんなイメージを持っているだろうか。「忙しい」「慌ただしい」「もう少し寝ていたい」。起床してから、オフィスや学校に行くまでの時間は、誰もが追われているという感覚に陥るのではないだろうか。

「一般的に、朝はとにかく忙しく、慌ただしく、バタバタしているという先入観を持たれていると思います。しかし、本当にそうでしょうか。私は、朝こそ多彩な使い方ができる時間であると思っています。その使い方次第で一日が違ってくる、もっといってしまえば、素晴らしい一日にもなれば、悔いの残る一日にもなる、と考えています。」(枡野氏)

「人生は一日、一日の積み重ねですから、一日をどのような日にするか、その重要なカギを握っている朝こそが、人生を左右するものであると思っています。」(同)

――朝が始まるのは、いうまでもなく、睡眠から覚めたときからである。睡眠は前日の心身の疲れを取り除き、疲労を回復させる効果がある。

「心に悩みやわだかまりがあったとしても、身体を休めることで、それらが影をひそめ、起きたときには、少なからず心が解放されていると思います。ひと言でいえば、心も身体もリフレッシュされて新しくなっているのが、朝という時間なのです。身心ともに最高のコンディションだといってもいいでしょう。」(枡野氏)

「その朝を、ただ忙しく、慌ただしく、バタバタと過ごしてしまう。こんなにもったいないことはないと思いませんか?せっかく整っているコンディションを、ムダにしていることにも等しいからです。」(同)

■その日のすべては朝で決まる

――それでは夜はどうだろうか。仕事をひと通り終えて迎える夜は、体力的にも疲労が溜まっている。当然、気力や集中力も消耗している。「そんなコンディションでは、なにをしても効率が上がるはずがありません」と、枡野氏は主張する。

「仕事に必要な資料を読んでも、集中力が落ちていてなかなか頭に入らない。部屋の片づけに取りかかっても、気力にも体力にもゆとりがありませんから、雑にならざるを得ない。そういうことになるはずです。」(枡野氏)

「朝は、集中力も気力も体力もみなぎっていますから、夜とは比較にならない結果になるはずです。夜一時間以上かかることが、朝なら10分でできてしまうことでしょう。」(同)

――「朝早く起きれば、夜は早く眠くなるから関係がない」という人もいるだろう。自分の体質によって「朝型」「夜型」と認識している人もいるだろう。しかし、「早起きは三文の徳」など、早起きの価値については昔から言われている。

まずは、日々の過ごし方を振り返りたい。そのうえで、朝が重要だと思うなら、日々の「日に新た」を意識しては如何だろうか。

参考書籍
幸運は、必ず朝に訪れる。』(秀和システム)

尾藤克之
コラムニスト

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