東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
地下水モニタリングで疑義
さて、土曜日に今度は9回目のモニタリング調査を実施した事業者のヒアリングが都議会の「豊洲市場移転問題特別委員会」で行われました。その結果、1~8回目までとはどうも根本的に検査方法が異なっていたかのような話で、混乱に拍車をかけています。現場に立ち会った職員含め関係者への調査が進んでいます。
築地再整備は出来るのか?
私は「石原会見」を受けてではなく、自分自身が冷静に客観的に事実を確認し、「市場移転」に関しては都民の皆様、国民の皆様が納得する形を提示させて頂きたいと考えています。今、私は都議会自民党の執行部にもお伝えしていますが、あらゆる可能性を探っています。それは本当に、都市伝説のようになっている「短期間」「低コスト」で出来る築地現地再整備話は本当かなどなど。これが根拠も無い話だとすれば、人々を馬鹿にしているとしか思えません。
いったん立ち止まっている小池知事
私自身は、小池さんが「いったん立ち止まる」という言を信じています。今、立ち止まった事で過去の経緯にも関心が高まりました。ならば、中立公平に判断しましょうというのが私の考えです。特に石原さんを擁護しようとも考えていません。単純な事実としての判断材料をまとめて「東京都の公益」の為に日々精進しているのです。
私的築地再整備構想にも挑戦中
その証拠として、他会派が言う現地再整備構想よりも、今の時代にマッチしたより具体的な現地再整備構想も描き始めています。それが現実的かどうかは「私的再整備構想案」の大枠が出てきた後に考えます。但し、ここには条件があって、2010年4月から都議会で行ってきた議論では、仮移転先が課題になりました。この部分や築地の解体方法などに基づく「費用」「期間」を乗り越えられるかどうか。「11月7日」をこのような形で迎えてしまった以上、私はしっかりと事実確認し、多くの皆様に説明する責任があると考えています。
以下、おさらいです。
↓(これまでの経過)
築地市場は1935年(昭和10年)の開場から長い年月が経ちました。
そこで築地市場を現在地で再整備することについて、東京都と市場業界などの関係者間で長い時間をかけて検討を重ねる事で、1988年(昭和63年)に現地再整備に関する金本計画が策定されました。この基本計画に基づいて、1991年(平成3年)から工事に着手し、立体駐車場などの整備を進めたのです。しかしながら、工事の長期化・整備費の増大・営業活動への深刻な影響の懸念などの問題が発生し1996年(平成8年)頃に中断をしたのです。そもそもの中断の理由としては、工期14年と見込んでいたものが20年以上かかる。2380億円と見込んでいた総工費が3400億円に膨らんできたからです。
但し、中断後も現地再整備に向けて、東京都と市場業界により構成される「築地市場再整備推進協議会」において、複数の再整備案を作成し、検討・協議を重ねてきたのですが、いずれの案も20年以上かかること、工事期間中の営業活動への深刻な影響等の問題を解消できないことから、1999年(平成11年)に現地再整備は困難であり、「移転」整備への方向転換が意見として集約されてきたのです。
で、2010年(平成22年)4月から東京都議会でも現地再整備の可能性を検討してきました。
業界との調整、仮移転先の晴海の地元調整、土壌汚染調査、埋蔵文化財調査などの不確定要素を加味すると、工期は相当に長くなりそうだという事が判明してきます。また、豊洲に移転した場合に比べて、仮設建設費用が余計にかかることなどから市場業者が負担する使用料負担が過大となり、市場業者の経営を圧迫してしまうのではないかという懸念もあったのです。
編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年3月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。