「東大卒」でもなぜお金持ちになれないのか?

学歴と年収には相関関係があると言われています。就職情報を提供しているDODAの調査結果によると、卒業生の平均年収が上位の大学は、薬剤師になる薬科大学を除けば、東大、京大、一橋大、東工大といった有名大学になっています。

しかし、これからは社会構造の変化と共に学歴と年収の相関関係は低くなっていくと思います。大企業に入れば高い年収が約束されていた時代が終わり、高学歴で大企業に入って「勝ち逃げ」というパターンが通用しなくなるからです。

また、働き方が多様化し、副業も積極的に認められるようになり、起業のハードルも低くなっていけば、そこには学歴以外の要素の方が圧倒的に重要になってきます。

週末の第5回世界の資産運用フェアーのゲストとして登壇した金川顕教さん(写真)は、起業してわずか数年で年商7億円と言う大成功を収めています。しかし高校時代は偏差値35で、2浪して立命館大学に入学したそうです。失礼ながら、決して高学歴とは言えません。

にも関わらず30代前半でビジネスでの大きな成功を収めた最大の要因は、現状に甘んじることなくリスクを取ってチャレンジしたからです。会社を辞めなければ年収1000万円を手に入れられたのに、外資系会計事務所のポジションをあっさりと捨てて、自分のやりたいことを始めました。

そこで大切なのは、無意味にリスクを取るのではなく、意味のあるリスクを早く取ることです。金川さんの場合、その方法を成功者の真似をすることで学びました。

起業に関する書籍を数百冊読み込み、有料のセミナーにも行きまくり、あらゆる成功者の体験から共通するものを選び出し、実践していったのです。

高学歴な人ほど、プライドが高く、失敗を認めたがらない傾向があります。何か新しいことをはじめようとしても、過去の成功体験にしがみついてしまい、重箱の隅をつつくようにリスクばかりを考えてしまい、チャレンジすることができない人が多いのです。これではチャンスはつかめません。

確かに、学歴と言うのは学生時代に懸命に努力した証であり、潜在能力の高さを示すシグナルとしての役割はあるのかもしれません。しかし学生時代よりも、社会に出てからの人生の方が圧倒的に長いのです。だから、社会人になってからの努力とリスクテイクの積み重ねの方が、学歴よりも大きな影響持つ事は明らかです。

収入の高さが人生のすべてとは言いません。しかし、仕事で自分のやりたいことにチャレンジして、結果を出すことには価値があると思います。やってみようという強い意志と勇気があれば、いつでも人生を逆転できます。後から後悔しないためにどうしたら良いか?

何かを始めるのに、遅すぎるということはありません。未来を考えれば「今が一番早い」。そしてやるかやらないかは、全て自分が決められることなのです。そう考えれば「今更はじめてみても」と言い訳をしたり、「あいつはいいな」と人を妬んだりしている暇はないはずです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年3月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。