共産党の“変節”で都議会は大政翼賛会になるのか

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

審議延長の動議提出へ

紆余曲折はありましたが、3月27日の予算特別委員会は様々な面で注目が集まります。「帰っちゃった」騒動の本筋は、自民党が要望をした審議延長をどうするかという議論でした。結果的に、25日20時に再開された予算委員会理事会が休憩を挟みながら続き、最後は自民党が27日の委員会で「審議延長の動議」を提出する事となりました。

記者会見する都議会自民党・高木けい幹事長

自民17 vs 21非自民

問題はそこです。
委員長を除き、委員会攻構成は自民17、公明7、改革(民進)6、共産5、都民ファースト2、ネット1となっています。つまり自民党17に対して、非自民は21です。つまり非自民党から2名が自民の延長案に乗れば19対19となるのです。

審議時間が足りないのは自明

あらためて、都議会自民党が求めるのは審議時間が足りないという主張です。しかも、集中審議後の24日金曜日に小池知事は「市場のあり方戦略本部」設置を発表されました。昨夜の19時30分頃の段階で非自民チーム代表者は審議十分だと主張していますが、本当にそうなのでしょうか。

今まで、都議会自民党も様々なお叱り・ご意見を賜ってきて、私もちょっとどうかなと自組織の改善すべき点はあると見つめてきました。しかしながら、今回の件では間違いなく自民党は筋が通っています。小池知事初めての予算という事で、基本的な都知事としてのビジョンも分からぬままの審議だという前提があります。ただでさえ審議時間が短いと思っていた事に加えて、限られた質疑時間にも関わらず知事や理事者が真正面から質問にお答え頂けなかったのは大きな事です。そこにダメ押しとなりましたが、小池知事が発表した戦略本部への質疑も必要になったのです。

公明党と日本共産党が一緒に動くのか!?

そこでです。私自身、東京の未来に向けて最大の懸念事項は前述の昨日19時半の非自民5派の共同記者対応。この5派は公明、共産、ファースト、改革、ネットです。内容はあくまで無断で休憩中に帰っていないという事の説明だったようです。が、私が政治を学んでから言われてきた「公明党と日本共産党の合体はあり得ない」という常識が明日覆されてしまうのかと思い至る一因にもなりました。

共産党らしさの大切さ

どういう事か。冒頭に記しましたが、自民党から審議延長の動議が明日の委員会のどこかで出されます。日本共産党東京都議団が自民党の動議に賛成されるか、都政ウオッチャー全てが注目しています。というのも、共産党は基本的に予算を反対し自分達の組み換え予算を提出してきたグループです。絶対的に、共産党も「あり方戦略本部」については十分に質疑したいだろうと思うのが普通の見方です。その思いを封印してしまうのか。

都民ファースト所属都議のツイ

昨日の理事会騒動では共産党は公明党とは同じ立ち位置でした。もし、共産党が2017年度予算を決めるヤマ場の時間延長動議を反対しながら、審議を放棄して組み換え予算案を提出するという暴挙を選択されるのか。それとも、都民ファーストの山内都議がツイートで証明した知事与党の共産党として、自民党が小池知事に質問する機会(時間)を奪うのか重大局面を迎える事になります。

都政重要課題は無数にある

「豊洲か築地か」という話題ばかりが取り上げられる東京都政ですが、他にも重要課題は山積しています。例えば、神奈川県知事は21日会見で「東京2020大会に係る役割分担・費用負担について」として意見を表明していますが、一方で、こんな話もあります。「小池知事 五輪費用負担の大枠提示「年度末は難しい」という報道も出ています。その中で、市場移転に関連して大会運営の問題点も輸送計画等で浮上してきています。

それだけではありません。医療、社会保障、教育等々の重要課題を内包する都政の予算審議を真面目に考えると、まだまだ審議時間が必要になってくるのです。

既に山内都議が共産党を知事与党としていますから、今さら自民党の考えには乗れないか?それとも、筋を通して「十分に審議して組み換え予算案」を提出するのか?私達は自民共産の共闘しようとか、何がどうかという難しい話をしているのではなく、あくまで「時間」を頂きたいという事だけです。

“公明共産ファースト”でいいのか?

その思いは議会人なら誰もが持っているはずです。21人中にたった2人が都議会議員としてやるべき当たり前の権利を行使して下されば良いのです。運命の日である明日を、私は緊張して迎える事になります。当然ながら、“公明共産ファースト”という知事与党体制がツイッターから明らかになった以上、やるべき事は明確なのかもしれません。

たった2人の良心が大政翼賛化しかけている東京都政の未来を充実させられるのです。


編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年3月26日の記事を転載させていただきました(タイトルは一部改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。