通勤をやめれば、生産性は上がり、もっと幸せになれる

内藤 忍

朝の通勤ラッシュに遭遇すると、いつも思う疑問。それは毎朝、同じ時間に同じ場所に集まって仕事をすることに、まだ価値があるのかということです。

工場で流れ作業で仕事をする場合 同じ場所に集まって仕事をすることには、大きな意味があります。ホワイトカラーの仕事であっても、ネット環境が無い時代は、オフィスに社員が集まって一緒に仕事をすることにコミニケーション上のメリットがありました。しかし、今はメールもあるし、動画で会議もできるし、チャットワークのようなグループで仕事を効率化するためのソフトも充実しています。

確かに、顔を合わせた方が効率的に進む仕事もあります。ミーティングや打ち合わせといったフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの効用は否定しませんが、毎日ずっと一緒にいる必要はもうないのではないかと思います。一緒にいるメリットよりも、それにかかるデメリットの方が大きいと感じるのです。

デメリットの1つが、通勤のストレスです。狭い空間に押し込められ、風邪をうつされたり、精神的、肉体的に体力を消耗します。

また、オフィスに在席することが義務になっていると時間のフレキシビリティーがないことも問題です。小さい子どもがいる家庭では、熱を出したり、ケガをしたりと想定外の出来事が突然発生したりします。始業時間に間に合わせるために、子どものケアよりもオフィスに行くことを優先しなければならないというのは、何とも理不尽です。

仕事を一緒にする仲間がまったく顔を合わせないと言うのも、ミスコミニケーションの原因になりますから避けるべきです。とは言え、個人的な感覚では、特殊な仕事でなければ、週に1回程度集まれば、コミニケーションは問題なくできるのではないでしょうか。

例えば、週1回はオフィスに集まって情報をシェアする。それ以外の平日の4日間は、自宅や自分の好きな場所で好きな時間に仕事をする。そうすれば、子どもやシニアのお世話をしながら、働くストレスを軽減できます。

仕事の効率を高める方法には個人差があります。深夜に仕事をするとはかどる人もいれば、朝型のライフスタイルの人もいます。オフィスにいかないで仕事ができるようになれば、早起きして自宅で一仕事して、お昼はお風呂に入ってリラックスし、午後はカフェに出かけて別の仕事を仕上げるといった自分のペースでの仕事が可能になります。

私も、土日にフルに仕事をし、そのかわり平日はお休みを取る。あるいは、早朝から昼過ぎまで仕事をして、午後はのんびり過ごす。そんな仕事のやり方で生産性を高めるように意識しています。

以前仕事をしていた会社では、オフィスのパソコンで真剣な表情でソリティアに興じている人もいました。会社にいるかいないかは、あまり意味の無い概念になっているのです。仕事の生産性の向上には、オフィスで仕事をすると言う固定観念からの脱皮が最も重要ではないかと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年3月31日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。