東京には誰も採掘に来ない「宝の山」が眠っている

不動産の価値の価値の上昇は、人の集積によって決まります。たくさんの人が集まる場所は土地に価値が集まり不動産価格も上昇していく。

東京には、開発によって人の集積が加速され、土地の価値を上昇させる期待を持たせるプロジェクトがたくさんあります。その中の1つが、田町と品川の間にできる山手線の新しい駅です。現地に行ってみると、JR東日本の駅舎建設計画の看板まで表示され、駅ができる場所は明らかになっている(写真)。にもかかわらず、このプロジェクトを詳細に調べて、周辺で戦略的な不動産投資をしようという人は、あまりいないようです。

確かに、開発地周辺の不動産価格は,すでに新駅の開業をある程度織り込んで上昇しています。しかし、金融資産と不動産の大きな違いは、価格の歪みが修正されるまでの時間軸です。金融商品では割安な価格は瞬間的に修正されてしまい、情報によって人を出し抜く事は極めて難しい。不動産は金融商品とは対照的に、このような開発計画が明らかになってから、歪みが完全に修正されるまでの時間が長く、そこに超過収益の機会が存在します。これから投資を始めても収益機会を見つけることは可能なのです。

東京におけるこのような再開発計画や鉄道の整備計画を調べてみると、山手線新駅だけではなく、大江戸線の延伸、蒲田周辺の開発、東急東横線と相鉄・JR東日本との横浜での相互乗り入れなど、様々な計画があることがわかります。

かつて、鉄道の整備により武蔵小杉が大きく発展したり、陸の孤島と言われていた北参道が副都心線の開通で人気住宅地となったように、これからもインフラの整備が不動産価格に大きく影響していきます。

金融資産の銘柄選択や投資タイミングを考える暇があるなら、街に出て、これから発展しそうな蒲田や大泉学園に行って、不動産開発の現場を自分の目で見てみる。金融とは異なるたくさんの収益機会が不動産にあることが実感できると思います。金融資産と不動産、投資対象の分析に時間をかけるべきなのはどちらなのかは明らかです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年4月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。