電話の「使い方がわかっていない人」は仕事ができない

内藤 忍

「電話を使う人は仕事ができない」と、思っている人がいるそうです。私自身、電話はあまり使わない方ですが、電話が無いとできない仕事もあると考えています。とすると、私は仕事ができない人ということなのでしょうか。

確かに、電話は「同期通信」で、かけた相手から時間を強引に奪うという側面があります。メールやSNSを使えば「非同期通信」なので、自分の時間の都合に合わせてコミュニケーションできるというメリットがあります。また、電話の場合、一対一での非効率はコミュニケーションで、後から言った言わないのトラブルが起きる曖昧さもデメリットです。スケジュールの連絡や、メールでも伝わるようなちょっとした連絡をいちいち電話で伝えてくるような人は「仕事ができない」のかもしれません。

私が今やっている仕事でも、例えば本を書く、プレゼン資料を作る、セミナーの構成を考えるといった仕事は、一人で集中して進めます。この手の仕事をしている時に電話が割り込んできたら、確かに集中力が中断され、迷惑といえば迷惑です。しかし、そんな仕事をしている時は、電話はオフにして出ないようにしています。

しかし、次のような仕事は電話でしかできないと思っています。

1.緊急性が極めて高い仕事
仕事でトラブルが発生し、即時対応が必要な場合は、メールやSNSだけではなく、電話をかけることもあります。とにかく連絡を取ることが最優先なので、迷惑であることを承知でできるだけ多くのコミュニケーションツールからコンタクトをします。

2.テキストではニュアンスが伝わりにくい仕事
メールやSNSといったテキストは、文章でしか情報が伝わらないので、どうしても伝えきれないことがある場合が出てきます。例えば、本に入れる図表のデザインに関する細かい指示や、具体的な仕事になる前の漠然としたイメージの交換など、口頭で伝えた方が圧倒的に時間が短縮できる場合もあるのです。メールのやり取りだと結局伝わらなかったことが、電話一本でスッキリ解決ということは、意外に多いものです。

3.記録に残したくない仕事
テキストに残さない方が良いと思う仕事を電話でやり取りすることがあります。電話も録音されてしまえば、同じことですが、テキストでのやり取りは、コピペされてしまうと困る場合があります。そんな時は電話でやり取りすることでリスクを低減できるのです。

電話には、他のコミュニケーションツールにはないメリットがあります。コミュニケーションで大切なのは、最適なツールを上手に選ぶこと。それによって、仕事を効率化を高め、成果につなげる人が仕事ができる人ではないかと思います。

電話を使う人は仕事ができないのではなく、電話の使い方がわかっていない人は仕事ができないだけの話ということです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年6月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。