小池さんの次の一手を読むのは難しい

早川 忠孝

都議選では陣頭に立った小池氏だが、選挙翌日にサプライズ退任(Wikipedia:編集部)

人の虚をつくのが上手いというか、およそ対戦相手が考え付かないようなところにポンと石を置くのだから、小池さんは将棋よりは囲碁の方が得意のようだ。

対戦相手の読みを外すような手を打つ小池さんの次の一手を読むのは、実に難しい。

私は私なりに小池さんの身になって次に何を為すべきか一生懸命頭を捻っているのだが、すぐ読みを外される。

小池さんは都民ファーストの代表を辞めて、都知事の職務に専念することに決めたようだ。

地域政党とは言っても立派な政党、政治団体だから、その代表を続けるということになると些末な事務処理に追われたり、自分の与り知らないところでの様々な出来事に対して政治団体の代表としての責任を問われたり、様々な応接をしなければならない、ということが相当の負担になりそうだ、ということに気が付かれたのかも知れない。

後任の代表には野田数幹事長、元代表が就任するというのだから、面倒なことは全部野田さんが引き受けるということだろう。

なるほど、そういう手があったか、とハタと膝を打つところだが、これが上手く行くかどうかは今のところ何とも言えない。上手く行って欲しいと願ってはいるが、私は野田さんをよく知らない。

都民ファーストについて一抹の不安アリ、ぐらいなことは申し上げておいてもいいだろう。

それにしても、小池さんは、次にどういう手を打つのだろうか。

自民党は有権者から大目玉を喰らったが、小池さんが引っ込んだから立ち直れるのではないかしら

歴史的な大敗を喫した、という事実には変わりがないが、どうやら小池さんは自民党をこれ以上追い詰めるつもりはないようである。

自民党都連の宿年の癌を取り除けたから、当面はこの程度でいい、と見切ったようである。
都民ファースト大勝の翌日に都民ファーストの代表を降りてしまうというのだから、都民の皆さんは狐に鼻をつままれたような感じだろう。

小池さんという看板があったから都民ファーストの候補者に投票したのに、小池さんは看板だけでした、などということになったら、騙された、これ、投票詐欺なんじゃないの、と騒ぎ出す人がいてもおかしくない。

唖然として口が塞がらない人が多いかも知れない。

小池さんはあくまで都知事としての小池さんであって、都民ファースト代表の小池さんではなくなった、ということだ。

小池さんがいない都民ファーストは、烏合の集団にならざるを得ないところがある。
どなたかが早めに手を打たないと、都民ファーストの中での離合集散が始まってしまう。
扇の要を取り除いたようなものだから、要に人を得ないとあっという間にバラけてくる。

自民党にとっても民進党にとっても再生の芽が出てきた、ということだろう。

このチャンスを活かさない手はない。

まあ、このチャンスを活かす知恵も力もないようであれば、救いようがないのだが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年7月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。