サービス業の最大のホスピタリティは「NOと言わないこと」

旅行に出かけて、いろいろな宿泊施設やレストランに行ってみると、気が付くことがたくさんあります。利用して良かったと思える施設と、残念ながら二度と来ることは無いだろうと思う施設。その違いは、サービスの絶対的な水準より、「Noと言わないこと」にあるような気がしました。

食事のレベルが極めて高いレストランでも、慇懃無礼で上から目線のサービスをされることがあります。逆に、食事自体はそれほど卓越したお店ではなくても、スタッフのサービスが一生懸命で、できる限りお客様の満足度を高めようという思いに溢れた対応に出会うこともあります。

例えば、デザートのフルーツが気に入ってお代わりしたいというリクエストをした場合に、「コースメニュなのでお一人様1つずつと決まっています」と機械的に断られてしまうのと「対応できるか確認いたします」と返してから、「申し訳ありませんが、ご希望のフルーツの在庫がもう無くなってしまいましたので、別のものをお持ちしました」と対応するのでは、お客の受ける印象は大きく異なります。

「できません」とネガティブに言うより「私ができることはここまでです」と誠意を込めて自分ができることをポジティブに言う方が、相手に気持ちが伝わります。

これは宿泊業や、レストランといった接客業だけに限りません。私がやっている資産運用のコンサルティングやセミナーでも当てはまることだと思います。

確かに、全てのお客様のわがままにすべて対応していたら、ビジネスとして成立しなくなってしまうこともあると思います。しかし、人間と人間がコンタクトするビジネスにおいては、できる限り相手の要望に対応して柔軟なサービスを提供するように意識することが大切だと再認識しました。

「メニュにありません」「対応できません」と言われるより「出来る限りやってみます」「こちらであれば対応可能です」と相手の要望を否定しないで、できる限り対応しようとする。そんな姿勢が信頼感や満足度の醸成に極めて重要であることを、お客としてサービスを利用して感じることが出来ました。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年7月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。