なぜマイホームは、不動産投資よりリスクが高いのか?

今週、都内の不動産物件を売買契約を結んで、購入しました(写真)。中古のマンションですが、売主は住宅ローンを借りて、ご自身のマイホームとして住んでいた方です。

売主はマイホームを購入したものの、ご自身の収入から住宅ローンを支払い続けることができなくなってしまい、手放すことになったと聞きました。住宅ローン以外の抵当権も設定されていましたが、今回の売却資金で、すべて完済することができたようです。

私は、購入したこの物件をマイホームではなく不動産賃貸物件にする予定です。銀行から借入を行い、賃貸して得られた家賃から返済していきます。頭金を10%ほど入れましたが、残額は借入で賄うことができました。空室リスク、家賃滞納リスク、金利上昇リスク、物件価格下落リスクなど、不動産投資のリスクが発生しますが、リスクを取って、毎月数万円のキャッシュフローを得ることができます。

同じローンによる借入で不動産を保有するのでも、マイホームと投資用不動産では、意味合いがまったく違います。

マイホームを住宅ローンで購入すると、ローンの返済をするのは、自分です。仕事で稼いだ収入(税引き後)から長期間にわたり、元本と利息を払い続けなければなりません。仕事の年収が下がったり、働くことができなくなったり、想定外の支出が増えるとローン返済が出来なくなるリスクが、購入後の数十年の人生にずっと付きまとうのです。

投資用不動産を借入をして購入すると、ローンの返済をするのは、賃借人です。管理会社に管理を任せれば、払い込まれた家賃から諸費用を差し引き、ローンを支払った残額が預金口座に振り込まれます。自分の仕事がどうなっても、家賃さえしっかり確保できれば不動産が勝手に稼いでくれます。

もし友達がマイホームを購入したら「おめでとう!」と言い、投資用不動産を買うと言ったら「大丈夫?」と心配するのが、多くの人の反応だと思います。しかし、リスクを冷静に考えると、逆ではないでしょうか?

マイホームを買ったら、仕事の収入でこれから数十年ずっと返済し続けられるか「大丈夫?」と心配し、投資用不動産を購入したら、不動産が勝手に稼ぐ仕組みが出来たから「おめでとう!」と祝福すべきなのです。

私の周りには、そんな「おめでとう!」を声をかけられる人がどんどん増えて、今や数百人規模になってきました。成功事例を目の当たりにして、インデックス投資家から、不動産投資家に「変節」する人も増えています。来週開催のセミナーでもその具体的方法をお話します。

リスクを取らない人にはリターンを語る資格はありません。実践もしないでネガティブなコメントばかりしている「評論家」と付き合っている時間は無いのです。自己責任でリスクを取って結果を受け入れられる「おめでとう!」と言える人たちだけと、ポジティブなお付き合いを深めていこうと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年7月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。