マスコミの皆さんは小池さんの発信力には相当の敬意を表されているようだが、この1年間の小池都政の実行力なり業績については相当点数が辛そうだ。
赤点こそつけないが、どうも合格点を上げる気にはなれないらしい。
私などは、ほぼ四面楚歌、僅か3人の都議会議員の味方しかいないのに単身都政に乗り出し、自民党都議団、公明党都議団、民進党都議団、共産党都議団という大軍団を相手にして、既定路線であった豊洲市場11月移転の延期を決断し、200億円という自民党都議団の特別予算枠の廃止を断行し、さらには平成29年度予算案の全会一致での承認によく漕ぎ着けたものだと感心するが、その程度の成果ではマスコミの方々は満足されないようである。
都知事の仕事は、まずは予算を編成し、議会の承認を得て円滑なその執行に当たるということだろうと思う。
都庁の職員の方々の間には、自分たちの意見が知事のところに十分届いていないとか、都庁の職員ではない外部の顧問団の意見具申に小池さんが左右されているようなのが気に食わない、などという不満が一定程度鬱積しているようだが、だからと言って都政が空回りしているとか、停滞している、あちらこちらでストライキが発生している、といった話は聞こえてこない。
確かに豊洲移転問題に関連して築地市場の関係者の方々の悲鳴や苦情みたいなものは聞こえてくるが、これは個別に対策を講じていくしかない類の問題で、これをもって小池都政の失政と断じる筋合いのものではなさそうだ。
個別の目玉政策みたいなものを挙げてこの1年間の小池都政の業績を具体的に示すことは難しいかも知れないが、まあ、今はこの程度でいいんじゃないの、というのが私の率直な感想である。
小池さんの本領発揮は、これからである。
どうやら安倍改造内閣は、親小池の閣僚を何人か登用するようだから、小池さんは随分やりやすくなるのではないだろうか。小池さんが思いっ切りアクセルを吹かせても、足を引っ張りそうな人はいそうにもない。
小池さんの大いなる突破力に期待している。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年8月2日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。