ビットコインの分裂騒動を「わかりやすい例え話」で説明する

内藤 忍

最近話題のビットコインの分裂騒動に関しては、実際にどんな事態が起こっているのか、ニュース記事を読んでもよくわからないと言う人も多いと思います。

これに対してマネックス証券の松本大氏が、マネックスメールの「つぶやき」で、わかりやすい例え話を使って説明していました。

極端な比喩を使うと、100万円預けてある銀行の預金通帳が、90万円の通帳と10万円の通帳に分かれるようなもの、
もっと正確に云うと100万円と100万新円の通帳に分かれ、1円は0.9旧円、1新円は0.1旧円の価値が当初はある、とでも云えるでしょうか。

このように理解しにくい話を抽象論で説明するのではなく、誰もがイメージしやすい例え話にすることによって、理解度が格段に深まることがあります。

私もセミナーや書籍等で、このような例え話を使って参加者や読者の方にイメージを掴んでもらおうとすることがあります。

例えば、海外不動産投資で、ベトナムのホーチミンの地理を説明をするときには、東京と比較して話をします。ホーチミン1区は都心のど真ん中で、東京に例えて言えば千代田区。ホーチミン7区は、富裕層が住んでいる郊外エリアなので、東京で言えば世田谷区のようなものだと説明しています。漠然としていた場所のイメージが、自分が知っている場所に例えられることで、すっきりとわかりやすくなるのです。

あるいは、日本の財政問題も、歳入が60兆円で歳出が96兆円。公債残高が840兆円と言われても、ピンときませんが、家計に例えると年収600万円の人が1年間に960万円使って生活し、ローンが8400万円あると説明されると、肌感覚で現状が理解できると思います。

複雑で理解しにくい情報が溢れ、人間の処理能力を超えてくると、複雑なことをざっくり理解したいというニーズが高まります。

例え話を使った説明は、理解度を高め、具体的なイメージを高めるのには役立ちますが、飽くまでもアナロジーに過ぎず、本質をすべて突いているとは限らないという点には注意が必要です。わかりやすい説明の上に、リアルな事実の分析を加えるようにしないと、わかったつもりで大きな誤解に陥ることがあるのです。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。