マーケティングで最も重要なのは「嘘をつかないこと」

内藤 忍

キングコングの西野さんが書いた「えんとつ町のプペル」(写真)という絵本が、ベストセラーになった話は半年前にこちらのブログに書きました。その西野さんの最近の講演内容をネットで読む機会がありました。徳力基彦さんの書き起こしですが、とても参考になったので、自分なりの解釈をまとめておこうと思います。

これからのマーケティングで一番重要なことは「嘘をつかないこと」。なぜなら、嘘は「信用」を失うことにつながるからです。

例えば、好感度の高いタレントさんは、たくさんのCMに出演していますが、これは認知を高めることにはなっても、信用を失うことになってしまいます。なぜなら、本当に使っていない商品の宣伝をすることは「嘘」をついていることになるからです。

「お金とは信用を数値化したもの」という西野さんの定義に従えば、CMに出れば出るほど信用は低下し、お金から離れることになります。CMの出演料は手に入り、認知度は高まるかもしれませんが、長期的にはマーケティングとしてマイナスです。

逆に言えば、信用を高めるような行動をすればするほど、それがビジネスにつながっていくということです。

マーケティングを成功させたいと思ったら、嘘をつかないで自分が本当に良いと思っている商品やサービスを相手に届けなければなりません。本当は良いと思っていないものを無理に売り込んでも、いずれその嘘は相手に伝わってしまい、最終的には信用を失ってしまいます。

これは、私自身の仕事を振り返ってみても、納得できます。

資産デザイン研究所のメールマガジンが3万5000人の方に登録いただけ、セミナーにも集まってくれるたくさんのお客様がいるのは、自分が良いと思う資産運用の方法を自ら実践し、その中で良いと思うものだけをご紹介してきたからだと気が付きました。

新築のワンルームマンションの宣伝や、商品先物会社や海外の高コストファンドのセミナーなど、今までたくさんの仕事のオファーがありましたが、自分自身で投資したいと思わない商品・サービスに関しては、お断りしてきました。

自分自身が投資したくないものを人に薦めることに気がすすまなかったのが理由ですが、結果としてそれが「信用」を守ることにつながったと言えます。

信用は築くのに時間がかかりますが、失うのは一瞬です。つまり日々の積み重ねが大切だということ。これからも「嘘をつかない」を意識して仕事をしていきます。

西野さんの新刊「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」には、他に70くらいのマーケティングのアイディアが書いてあるそうです。こちらも発売されたら読んでみようと思います。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年8月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。