本日から来月5日までの予定で、都議会改選後初の本格的論戦の場になる、第三回定例会が始まりました。
本日の本会議では、小池百合子知事が所信表明演説を全都議会議員を前に行いました。
お姐は、来月、毎年恒例の新年度保育園申請直前保活セミナー「江戸川でワーキングマザーの仲間入り2017」(今回で19回目!)を開催します。小池知事就任直後の126億円の補正予算、平成29年度予算では403億円増の1,381億円と拡充しているものの、全国により後手後手に回ってきた保育園待機児童対策はいまだ深刻な状況(江戸川区は23区ワースト4位)なことから、知事は所信表明にて、「就任から1年間、待機児童対策に最も力を注いできた。」とし、先ごろ取りまとめた待機児童解消に向けた追加対策についても触れ、質量ともに拡充していくことを高らかに掲げました。
また、「管理団体及び報告団体については、各局の政策の執行機関としての機能強化や団体の在り方など、抜本的な見直しを進める」とし、待機児童と天下り問題のどちらも、お姐がメインテーマとして注力してきた課題なことから議会人としてさらに気を引き締めて取り組んでまいります。
さて、定例会初日の本会議前というものは、たいてい、各党・各会派で「会派総会」という会議が開催されます。本日も午前中に都民ファーストの会東京都議団の総会が開催されました。
小島敏郎政務調査会事務総長について
昨日夕刻、各種メディアで突如「豊洲問題で助言、小島都顧問が辞表 都民ファーストに転身」という報道がなされました。まさに寝耳にミミズ^^;、もとい水の情報でありまして当惑しておりましたところ、ネットメディア報道の約一時間後に、各部会を通じまして、都民ファースト都議団所属の都議に一斉にメールにて通達が届いた次第です。過日、都民ファーストの会代表交代の時も、会派内での情報共有や議論を経ずに
メディア報道→メール→総会報告
という形をとったことに対して、会派内で疑義の声も上がっていたにも関わらず、またしても同様の経緯を辿りましたことは、大変残念に感じています。
総会では当然のことながら、小島敏郎元顧問が政務調査会事務総長の就任したことを中心に「政務調査会事務局について」の報告が、真っ先にありました。「政務調査会」とは、会派活動を政策面で支える部隊であり、当然昨今、その使途につき問題視されております政務活動費が充てられるものです。
政務活動費は会派に充当されるものではありますが、基本的には所属議員に分割して支給されます。前期、議員一人当たり月額60万円→50万円と都民ファーストは削減を果たし、現在我々は、会派へ15万円、議員へは35万円という運用をしております。つまり全議員から15万円ずつ、会派運営費分が提供され、そこから政務調査事務局人件費が支払われることになるということであります。
「東京都職員OBではなく民間人採用をするしがらみのない姿勢」「速やかな政調会の設置」「小島事務総長が、余人をもって代えがたい人材」という説明には理解するものの「人選にあたっては、政務調査会長が選任できる。(小島氏は)顧問であったけれど、その実力から我々は会派の意志として依頼した」という「我々」というのは、会派全員の55人ではないのか、幹部だけで決められる運用・規約になっていたとしても、開かれた議会をめざす都民ファーストとしては、会派内民主主義を尊重し、まず自らもってして開かれた党運営のもと、せめて前回の総会で情報共有できなかったのか…と、思わずにはいられません。
そして何よりもいうまでもなく、政務活動費は都民の血税を原資とする補助金であるわけですので、政治活動との切り分けはマストであり、メディアも注目している中、痛くもない腹を探られてはいけないと、先んじて私は以下の点を質させて頂きました。
①小島総長が兼職しているものがあるのか。あるとすれば、それは何か?
②都民ファーストの会や国政新党の政治活動には関与するのか、政調との切り分けはどうするか?
③給与は全額、政務活動費を充当するのか、按分する場合はその費用はどうするのか?
以上、次回の総会か、あるいは何らかの形で、我々の一丁目一番地政策「情報公開」を党是とする都民ファーストの会らしく公表してくださるということで、回答を待ちたいと思っております。
文書質問の意義とは
前回の総会で私は「議員の調査権のひとつとして文書質問という制度がある。自分の所属委員会以外の質疑もできるので活用したいし、新人議員にもそういう制度があることを周知して頂きたい。会派としてどうしていくか」と質問をしていました。その件について本日回答がありました。
しかし、その内容については私個人としては落胆せざるを得ないものでした。
「文書質問はしない」
理由は、
1.第一会派なので質問できる時間がある。
2.文書質問は、当該定例会で提出をしても、次回の定例会での回答となるので都民ファーストの掲げるスピーディな対応に反する
とのこと。
都政事業は4,800と多岐にわたりますし、それぞれの選挙区から日々陳情もいただいており個々の議員が所属委員会以外の課題について質疑をしたいということは、当然党幹部も理解されています。ですので、
「個々の疑義は文書質問ではなく、党の政調会に預けて、そこから、委員会・一般質問等で違う議員にて行って頂き速やかな答弁に繋げる」
とのことでした。
確かに、一瞬納得できる方法論なのではありますが、政務活動費と違って文書質問の行使権は会派に属するものではなく、個々の議員に付与されます。本来議員は個々に当選した「選良」と呼ばれる存在で、個々の自発的な問題意識のもと質疑をするものです。無論、「希望の塾」で多くの都議選希望者が学び、その中で厳しい公認選定をクリアした都民ファーストの都議会議員なのですから、その質疑は、党の政策に沿っていることは言うまでないことです。「ほっておくと何するかわからない」ということは、ありえません。
時期や時間の限られる本会議や委員会での質問に比べ、文書質問は定例会ごとに本会議質問をしなかった議員が提出できることになっており、多角的なことから些細なことまで、事実確認や部局の見解を質しておくことができるものです。事前にこのような質問をすることで、地域からの提案や要望を部局側に伝えておいてこそ、議場での丁々発止の審議が充実したものになるのです。
一回政調会を通して「他の議員がする質疑でいい」とすれば、個々人の議員はいらない、あるいは質疑したいことが自分のイメージではできないこととなり、個性が奪われ、座席を温めて拍手していればいいだけの、私達が闘った自民党ブラックボックス議会になりますまいか…。
暗澹たる思いが致しました。
そして、さらに残念な指示が続きました。
委員会審議での資料要求が意味するもの
お姐は区議会議員初当選から必ず委員会では、質疑のために資料要求を続けてまいりました。その理由は過去blog『「資料要求」に議員力が現れる。』に詳細を述べてますが、要点を転載します。
1.公文書になる
公式資料として議事録にも残され、広く都民と共有ができるし、堂々と公表することができる。→わざわざ都民が情報公開請求をするまでもなく、手に入れることができますし、我々都議も堂々とお示しできます。(議会局に10年間、保存されます。)
2.執行部(お役所)の意識づけとなる
議会側が要求した資料を作成することで執行部が課題認識に気づく。緊張感を持つ
3.議員同士が問題意識を共有できる
委員会審査にあたり、他の委員と共通の資料・情報をもって、問題や課題も共有でき実りある議論ができる。
しかしながら、都民ファースト都議団においては
「第一会派なので、あえて委員会で資料請求はせず必要な資料は各局の総務課長を通じて取得すること」
との見解。
お姐は、都議会史上過去最多級の質疑をしてますから、委員会における公的資料要求の他にも質疑のための「平場での」請求も多々しております。都の職員は仕事への士気は高く、どちらもクオリティに全く遜色はありません。実際に、何人かの担当課長に確認させていただきましたが、委員会での資料要求も個別の資料要求も手間は同じとのことでした。
厳しい公認審査を乗り越えた都民ファーストの会の新人都議は専門性の高い人材が多く、個別で取り寄せている資料を控室で見聞していますと、百戦錬磨(笑)のお姐も目から鱗「こりゃー委員会でぜひ共有すればいいのに!!」という舌を巻くような内容をしっかりと、求めているのです!
都議も、資料を作る職員もすべての資料も都民のもの、都有財産。
平場で、都議が抱え込んでおしまいなんて本当にMOTTAINAI!!!
ふるい議会をあたらしく!
都議会を含め、地方議会は二元代表制ですから与党も野党もありません。
前任期では私が資料要求をしますと、自民党議員から「平場でやれよ!」とヤジを頂戴いたしました。他党の議員から、あからさまな批判がなされたこともありました。
時は移り、「情報公開」を旗印に、小池都政が誕生して以降は、自民党を含む各会派が積極的に資料要求をなさってます。都民の代表たる都議自身が、議事録に残る議場で自らの責任・自分の言葉で質疑し、その質疑のために都民に提供できる資料を求めることこそが、議員のできる「情報公開」であり、これは個々の議員に付与された発言と調査にかかる権利であると同時に都民への義務であるとお姐は考える者であります。
手続きを省略したり、「与党だから資料要求しない。文書質問しない。質疑しない。」という日本全国津々浦々にわたる地方議会の悪しき慣習を正していくこと、それこそが
「ふるい議会をあたらしく!」
お姐総括!
こうした、一見小さく見えるような、議員質疑権、調査権にこだわることこそが議会改革につながっていくのではないでしょうか。
お姐は、何より、都民から与えられた武器を最大限に活用し、都政を質し、政策を実現してこそ、議員の本懐が果たせるという覚悟で、毎回の議会に臨んでまいりました。
本日は、政務調査会長の指示は黙って伺っていましたが、いわゆる「知事与党」の所作振る舞いや過去の慣習から自由になって、都民に開かれた、民主政治、地方自治、地方議会をいかに実現していくか、本日の「会派総会」を受けて、改めて考えております。
それは、代議制民主主義とそれに基づく憲法に定められた地方自治と官僚機構のあり方を問う、根源的な問題なのです。
小池知事は、2007年、女性初の防衛大臣を退任された直後に、『女子の本懐 市ヶ谷の55日』(←お姐のバイブル!過去blogご参照)を著し、政治家と官僚機構のあり方を世に問いました。政治家が本来の役割を果たしてこそ、官僚主導を脱することができるとの主張に、大いに共感したものでした。
小池知事の誕生と都民ファーストの会の躍進により、都政が新たなスタートを迎えようとしている今こそ、真の「都民ファースト」な都議の本懐がどうあるべきか自分に問うているところです。
神は細部に宿る!
細部をおろそかにすると悪魔が宿る!
▲細部に光を当てる子ども食堂。事務所自宅移転に伴い東小松川事務所開催最後の風景
(ひとりごと)
総会で配られた資料のなかに「連合東京政策局」発信の「連合関東ブロック2017政策フォーラム開催のご案内」なるものがありました。もちろん各種勉強会の案内は、どのような団体であれ議員個々の机上に配られることにはなんら問題はありません。しかしながら、同フォーラムは、各都道府県の同会組織内議員が対象のはずで、私は対象外でありますし、しがらみのない都民ファーストの正式な総会で特定労働組合の案内を配ることに強い違和感を禁じ得ない次第です。
☆お姐、寄らば大樹の陰、物言えば唇寒しでは、しがらみ政治は打破できぬ!素直に正直に自然体にロジックを持って進む「これが都民ファーストなお姐の生きる道♪」☆
上田令子 プロフィール