会社の倉庫は(もしかしたら)宝の山かも⁉︎

「買ったけど使っていないモノ」はありませんか?
ほとんどの人が多かれ少なかれ「ある」と答えるはずです。

デジカメ、パソコン、カーナビのような電気製品やちょっとした家財道具、はたまた洋服など「今は使っていないモノ」がたくさんあると思います。だから、メルカリのような個人間の売買サイトが隆盛を極めているのでしょう。

企業だって同じです。
新製品を投入したり新しい企画を立てたりと「新しい方向性」には熱心に取り組むのに、すでに自社内に存在する資産を活かそうとする努力は怠りがちです。

保有資産を有効に活用して大きな成果を上げた最たる例は、任天堂でしょう。
過去に一世を風靡したゲームのキャラクターを再活用して、大変な業績を上げています。

かつてのアイドル写真を再利用している週刊誌等も、保有資産の見直し成果が出ていると感じます。
最近とても感心したのが、小学館の「P+D BOOKS」シリーズで、かつての名作を価格を抑え、軽くて読みやすくして発行しています。「おバカさん」(遠藤周作著)を買って、本当に嬉しくなりました。

とりわけコンテンツ産業の在庫は、「宝の山」ではないでしょうか?
個人的には竹脇無我さん主演の「姿三四郎」のブルーレイセットが発売されれば、10万円以上の値段がついても買いたいと思っています。
メーカーにもたくさんの名作といえる在庫があるでしょう。

ずいぶん上の世代の間ではトヨタ2000GTが大人気だそうで、もしトヨタ自動車が同じスタイルの現代版を作れば飛ぶように売れるのではないでしょうか?

カセットウォークマンもほとんど姿を消しましたが、学習用としてはCDよりもカセットテープの方がはるかに便利です。止めたところからすぐに再生できるし、スピードコントロールが付いていれば好みのスピードで聴くことができるからです。

私が司法試験受験生だったころに感銘を受けた小林秀之先生の民法の講義テープは極めて秀逸で、(その後の改正部分をレジュメで明示すれば)今の法律学習者にとっても大いに参考になると思います(発売元に訊ねたのですが、在庫がありませんでした)。

クラシック音楽や世界的な名作文学が今でも残っているように、テレビドラマなどのコンテンツ、家電製品、車などでも「色褪せない名品」がたくさんあるはずです。

あなたの会社の倉庫の中にも、名品が眠っているのではないでしょうか?
新しいものばかりを追求するのではなく、すでに保有している財産を見つめ直してみませんか?
もしかしたら、空前の大ヒットになるかもしれませんよ。

荘司 雅彦
講談社
2006-08-08

編集部より:このブログは弁護士、荘司雅彦氏のブログ「荘司雅彦の最終弁論」2017年10月7日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は荘司氏のブログをご覧ください。