今頃は、どの陣営も必死だろうと思う。
万全の選挙体制で臨んでいる陣営は、せっせと電話作戦を展開している最中ではなかろうか。
空中戦に頼っているとつい忘れがちになるのが、電話作戦の有効性である。
最後の最後は電話一本で決まる、というところがある。
候補者本人や家族からの電話が特に効果的である。
後援会組織がある人が優勢に選挙戦を展開することが多いのは、後援会の皆さんが一生懸命に知人・友人・親類縁者に電話架けをしてくれて支援をお願いしてくれるからである。
希望の党の皆さんが苦しい選挙戦を展開せざるを得ないのは、皆さん、初めての選挙区で知人、友人、親類縁者がおらず、後援会組織もないからだろうと思う。
実に気の毒だと思うが、これが今の選挙である。
決して、皆さんが相手候補よりも劣っているわけではない。
場合によっては、皆さんの方が役に立つのかも知れない。
それでも、皆さんは苦戦されるはずである。
風が吹かない選挙は、新人には辛い。
自民党や公明党の支援を受ける候補者が選挙に強いのは、長年培ってきた後援会組織や地方議員、首長のネットワークが機能しているためで、いわゆる落下傘候補や新人候補が選挙に弱いのは、選挙区内にそういう地盤がないからである。
候補者本人の資質がいくらよくても、後援会組織や地方議員、首長の選挙ネットワークが機能しないと思わしい選挙結果を獲得することは出来ない。
雨乞いは祈るだけだが、選挙の票乞いは電話架けだと思っておかれるといい。
祈るだけなら落下傘候補も新人候補も出来るが、選挙は祈るだけでは結果は出せない。
今の段階で電話架けが出来る陣営がどうしても優勢になる。
この度の選挙が終わったら、公職選挙法の改正を検討していただきたいものである。
選挙に強い方々は、新人候補者の参入を容易にするような公職選挙法の改正にはどうしても反対するだろうが、現在の公職選挙法は新人の参加を困難にするような様々な規制を置いている。
私から言わせれば、フェアでない選挙である。
フェアではない選挙で選ばれたフェアでない議員ばかり、ということになって欲しくない。
選挙への参入障壁を何とかして取り除いてもらいたいものだ。
まずは、供託金を下げること。
公営掲示板への選挙ポスターの掲出を選挙管理委員会でまとめてやること。
様々な選挙運動の規制を撤廃すること、などである。
SNSはよくて、メールでの選挙運動はダメ、という規制はやはりおかしい。
現行選挙制度のおかしさは、やってみた人でないと分からないことが多い。
希望の党の候補者の方々は、現行選挙制度の問題点を肌で実感されているはずである。
皆さんの貴重な経験を、これからの公職選挙法改正の議論に是非活かして欲しい。
選挙戦は、明日で終わる。
泣いても笑っても、明後日には結果が出る。
皆さんの戦いは、そこから始まる、と思っておかれることである。
現在の新人にとってフェアでない選挙をフェアな選挙に変えていくのが、皆さんの仕事である。
今回の選挙は、皆さんにとって学びの選挙でしかない。
沢山のことを学ばれることだ。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年10月20日の記事をまとめて転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。