偏差値30のビリがケンブリッジを卒業して事業家になる話

尾藤 克之

担当編集者の田中氏(秀和システム)

「頑張っているのに、なぜか毎日が楽しくない」「将来のことを、自分の頭でしっかり考えるにはどうすればいいのか」。そんなこと思い、日々モヤモヤしている人はいないだろうか。今回紹介するのは、『群れない。』(秀和システム)。なお、アゴラ出版道場でもお世話になっている、秀和システムの田中氏が編集を担当している。

著者は塚本亮氏。偏差値30台の不良から、やがてケンブリッジ大学院まで進み、卒業後は、若者に生き方を指南してきた自己変革を説いた一冊になる。悪さを繰り返していた高校生の頃、生き方を見つめ直した経験がベースになっているそうだ。

SNSで心の空白は埋められない

――現代は、スマホひとつあれば、どこでも他人とつながり、いくらでもシェアできる時代だ。一生懸命に「いいね」を集めて、セレブな生活を連想させる投稿を繰り返している人もいる。承認欲求が制御できなくなっている証拠だ。

「友達が少ない、なんて思われたくないから、いろんな友達と写した写真をアップする。そして、『いいね』やコメントをたくさんもらうことにばかり張り切ってしまう。投稿に『いいね』があまりつかなければ、それでまたモヤモヤする。そう思っているあなたは、SNSに不安を抱きやすいタイプかもしれません。」(塚本氏)

「かつては私も、他人の行動が気になって仕方ないことがあった。とにかく『いいね』をつけてもらいたくて、頑張ったこともあった。でも、結局は虚しさしか残らなかったし疲れただけでした。それは当たり前です。なぜなら、『他人の目』がすべての価値基準になっているのだから。監視されているのと変わりません。」(同)

――そんな表面的なつき合いを続けることで、どんどん「自分」というものを見失っていく。それでは他人に乗っ取られていることと大して変わらない。

「他人が心に居座っている限り、自分と向き合う時間を失ってしまいます。どれだけ頑張って友達の数を増やしたり、いつも楽しく、充実しているかのように見せても、SNS上の飾った自分と現実との間にギャップが生じ、やがては埋まらない虚無感を抱えることになるでしょう。それがいやなら、現実を変えるしかありません。」(塚本氏)

「そんな虚しさを消すためには、意識を自分の心に向けることです。他人が気になるのは、結局、他人にしか目を向けようとしないから起こるからです。」(同)

承認欲求を捨て自分と向き合う

――承認欲求が強い人は、ネット上で別の人格を作り上げてしまう。顔の見えないSNSで自己アピールをして「いいね」をもらおうとする。「いいね」がたくさんあると、友達が大勢いて、あたかも有名人になったかのような気分を味わえる。心理学者マズローも承認には「他者承認」と「自己承認」の2種類があるとしている。

「SNSの虚しさから解放されるには自分の心に耳を傾けて、それに素直になるしか解決策はありません。人は、興味があるものに打ち込んでいれば、他人が何をしているか、他人からどう思われているかなんて気にならないからです。SNSが気にならないくらい、好きなことに打ち込んでみればいいのです。SNSは自己満足のツールです。」(塚本氏)

「すべて自己満足。そう考えればいいでしょう。SNSという、誰かによってつくり上げられた世界は、現実とはまるで違います。現実とバーチャルな世界の両方とも疑ってみれば、なにが本物かを見極められるようになるかもしれません。」(同)

――高校時代、塚本氏は、ある乱闘事件を起こす。学校からは自宅謹慎処分を言い渡される。この頃は不良仲間と悪行を重ねていたそうだ。偏差値は30程度だった。

「これがきっかけになり読書を始めました。そして、多くの成功者の人生を知ります。彼らは自己が確立されていること。決して群れないこともわかりました。」(塚本氏)

ケンブリッジ入学後、塚本氏は自分の生き方が世界では当たり前であることに気づく。世界では、人の目を気にせずに自己を確立することが普通だったのである。自己を確立すれば「群れる」必要性はなくなる。人にどう思われているのか、人がなにを考えているかを気にしてばかりの人。このような人に一読をおすすめしたい。

参考書籍
群れない。ケンブリッジで学んだ成功をつかむ世界共通の方法』(秀和システム)

尾藤克之
コラムニスト

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