野党時代の居丈高なところが取れてきたのかな、と思っている。
妥協的に過ぎる、とか理念抜きの改憲のための改憲だ、などという批判もあるだろうが、とにかく自民党が野党時代に取りまとめた憲法改正草案が今般の自民党の改憲項目の提示で棚上げになることが確定したのはよかった。
高村さんも細田さんも無理をしないタイプだから、議論を不必要に尖鋭化させないように細心の注意をしながら自民党内の意見集約に努められるのだと思う。
高村さんは公明党との意見擦り合わせに不可欠の人だし、細田さんはとかく極論に走りやすい人たちの抑え役として適任の人で安倍総理とも太いパイプがある人だから、自民党の議論はほどほどのところに落ち着くはずだ。
決して急がないのが、細田さんのいいところである。
何だか糠に釘のようで如何にも議論をはぐらかされたような気になる人も出てくるだろうが、とにかく現実的な落しどころを探るためには細田さんのような、本質的に地味で、裏方に徹することが出来る人の方がいい。
しかし、細田さんには自分から率先して憲法改正論議をリードするようなところが少なく、あくまで落しどころを探るのに長じた官僚のようなところがあるから、これからの憲法改正論議をリードしたり、憲法改正に向けた世論形成の役割を担うのは、多分自民党の外にいる人たちだろうと思う。
憲法改正論議を前に進めるために最もいいポジションを占めているのは、希望の党である。
目下のところ支持率が2パーセント以下ということになっているようだが、憲法改正論議を前に進めるということに限れば、希望の党の役割は実に大きい。
来年の臨時国会が一つの目途だと言われているが、希望の党が国民の期待に応えられるような活動を展開して行けば憲法改正に向けた世論の形成に大きな貢献が出来るはずである。
おう、結構役者がそろってきたな、という印象である。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年12月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。