クリスマスの華やかな季節は、人々の気分を高揚させます。しかし、賑やかな街の中にも、悩みを抱えたり苦しみに格闘している人たちが実はたくさんいるのです。一見幸せそうに見える人にも、それぞれの人に悩みがあり、まわりからは伺い知れないような絶望や深い闇があったりするのです。
以前このブログに書いたように、人生における試練に直面した時、「自分は今試されている」「今まで何とかなってきた」と言い聞かせるようにしています。
そして、もう一つの心の支えとして「試練は益となる」という言葉を、心に止めるようにしています。
試練を経てきた人の方が、順風満帆な人生を送ってきた人よりも、多くの経験を積み、人の心の痛みを理解でき、世の中を広く深く見ることができるようになります。
日本経済新聞の名物企画「私の履歴書」を読んでいると、苦労しながら深みのある人生を送ってきた人と、順調な人生ながら何とも浅い人生を送ってきた人がいることに気が付きます。前者の文章にはグイグイ引き込まれますが、後者の時は途中から読むのを止めてしまいます。
例えば、現在連載しているのは元プロ野球選手の江夏豊さん。プロ野球でもトレードでエリート街道を歩んだわけではありませんし、自ら招いた不祥事で大きな試練にさらされた苦労人ですが、それだけにその生き様に魅了されます。
以前のニトリの創業者である似鳥昭雄氏の連載も、壮絶な幼少時代の記述が印象的でした。
今苦しんでいる人にも必ず幸せな瞬間がやってくるのと同じように、今は幸せな人にもいつか辛いことや苦しいことがやってきます。
そんな時に心が折れないようにするには、支えになる考え方や心の持ちようが必要です。
自分は試されているという言葉は、試練を成長のエネルギーに変えられる可能性を示しています。そして今まで何とかなってきたという言葉は、未来には必ず光があることを指しているのです。「夜明け前が一番暗い」と言う言葉もあります。その先にやってくるのは絶望ではなく希望です。
人生に無駄なものは1つもありません。試練を含めて全てが益となる。歳を経ることに、そんなことが実感として心に染みてくるのが分かります。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2017年12月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。