ビットコインを「アセットアロケーション」から考える

とある出版社から年末に仮想通貨について取材を受け、6ページの巻頭インタビューにまとめていただきました(写真)。これから修正作業を行い、今月下旬にムックとして店頭に並ぶ予定です。

私は、投資家としては、ビットコインやリップル、イーサリアムなど複数の仮想通貨を保有しています。しかし、仮想通貨の基本技術であるブロックチェーンテクノロジーの専門家でもありませんし、アルトコインを含めた仮想通貨業界に精通している第一人者でもありません。

金融資産から実物資産まで、幅広い投資対象をどのように組み合わせるのが良いか。アセットアロケーションを考えるのが専門です。

年末年始の仮想通貨の乱高下によって、新規に参入した多くの投資家が、高値掴みで損失を出していると思われます。その理由は、短期売買で感情的な取引を行い、リスクコントロールに失敗しているからです。

私は仮想通貨を保有するのであれば、アセットアロケーションの観点を取り入れるべきだと考えています。

「バブルである」「危険である」「詐欺である」などと、評判のよくない仮想通貨ですが、デメリットばかりではありません。他の金融資産や実物資産と値動きが異なるという特性を持ちます。従来の投資対象と相関係数の低い資産ですから、ポートフォリオに組み入れることによって、資産全体のリスク・リターンを向上させることができる可能性があります。

ただし、価格の変動率(ボラティリティー)が非常に高いことから、組み入れ比率に関しては、あまり高くするのは危険です。

先日のブログにも書きましたが、仮想通貨との付き合い方で個人投資家がもう1つ気をつけなければいけないのは、保管場所です。売買に気を取られ、気が付けば自分が保有している取引所やウォレットにアクセスできなくなってしまうといった事態は避けなければいけません。

数年前にマウントゴックスという取引所が破たんし、預けられていたビットコインが消失するという事件がありましたが、それよりも自分の管理の甘さで「セルフゴックス」してしまう方が可能性としては高いのです。

ビットコインや仮想通貨に関しては、たくさんの書籍が出版されるようになりましたが、上記のようなポイントを押さえたものは、今のところ見当たりません。ブロックチェーン技術の専門家や、仮想通貨トレーダーの方には書けないようなアプローチで、仮想通貨との付き合い方について、自分なりの考えをまとめてみたいと思います。目標は4月です。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年1月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。