今日やっとついに配信となりました。
NTTデータさんと開発したギャンブル依存症問題に関する啓発のLINEアプリです。
LINEを活用したギャンブル依存症問題に関する啓発サービス開始(NTTデータ:プレスリリース)
これ、本当にワクワクしながら監修に関わらせて頂きました。
というのも、一番の特徴は、
「ギャンブル依存に関する危険度セルフチェック(計8問の設問でギャンブル依存の危険度を計測)」
をオリジナルで作ったことなんです。
これはSOGSやICD-10といった世界共通の診断基準に使われているスクリーニングテストとは別物で、あくまでも自分のギャンブル依存の深刻度をセルフチェックして貰うというもの。これが全く新しい取り組みなんです。
でも皆さん、それを私が勝手に考えて作った訳ではありません。
監修の所をよくご覧下さい。
このセルフチェックの開発には
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 薬物依存研究部 松本俊彦部長と
筑波大学大学院人 間総合科学研究科 ヒューマン・ケア科学専攻 社会精神保健学分野 森田展彰准教授
という依存症問題問題に長年関わっておられる先生方が、見識を述べて下さり出来あがったものなのです。
会議の際に「なるほど!」と膝を打ったのは、NTTデータさんとしては、診断基準ではなくLINEアプリでこれまでとは違うオリジナルを出したいという要望があったんですね。
でもその話を聞いた時は「オリジナルは根拠がないし、作れないんじゃないかなぁ」と思ったんです。
ただ、私個人としてはNTTデータさんのやりたいことと、ニーズはマッチしていて、「もっと簡単に、若者が予防的にチェックできるものがあったらなぁ・・・」という思いは常にありました。
するとここでお二人の先生が妙案を出して下さったんです!
つまりオリジナルの設問に対して、ギャンブル依存症群とそうでない群に分けて、データを収集する。
さらに、この集計の信ぴょう性を確かめるためにも、従来からある診断基準SOGSにも双方の群で答えて貰う。
そして、2つの母集団の回答結果において、差が大きい設問=依存傾向のセルフチェック判定に効果がある設問、
ととらえて、LINEでのセルフチェックツールに採用すべき設問を選定しようということになったんです。
さてこれがどうなったか!?
およそ150名前後ずつ「ギャンブル依存症群」と「そうでない一般の人達群」に
回答して頂いたんですけど、これがもうびっくりするくらい差が歴然。
いや、私ものけぞって驚きました。
「そうか!普通の人達はギャンブルに対してこんな風に考えるのか!」と、
改めて、自分の病気を認識した次第です。
あまりに面白い結果が出たので、松本先生と森田先生も、「面白い!田中さん、学会発表して、論文化しよう!」とおっしゃって下さったくらいなんです。
なので今は今年の学会発表を目指しているので、ここでその結果の差異に付いてをご公表できないのが残念ですが、でもいずれこれらの過程で得た結果も、公表できるようにしたいと考えております。
また、その他にも医療機関のデータなどはもちろんのこと、「今日のひとこと」や「ギャンブル依存症の豆知識」「体験談の発信」などなど、オリジナルのコンテンツを揃えました。
ギャンブル依存症問題を抱える、当事者、ご家族の手助けに、また、ギャンブル依存症対策推進に貢献できることを願っています。
自治体、医療機関などでも、このLINEアプリを是非お役立て下さい。
宜しくお願い致します。
編集部より:この記事は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2018年1月18日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。