ビジネスと出産のコツは、小さく産んで大きく育てる

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

赤ちゃんを育てる時には「小さく産んで、大きく育てなさい」という言葉があります。出産は命がけの大仕事であり、小さく産むことで母子とも負担を小さくすることがその狙いだといいます。さて、この言葉はそのままビジネスに当てはまると痛感しています。起業したいと、起業塾やセミナーにせっせと通う人は少なくありませんが、私はそうした人たちに「起業して稼ぎたければ、いつまでも勉強ばかりするのはやめて、まずは小さく稼ぎましょう」と言いたいですね。

早くデビューして市場の評価を受ける重要性

起業して間もないビジネスが、どんな商品・サービスがいつヒットするのか?それは誰にもわかりません 。分からないからといつまでもインプットばかりしていたり、迷っていないで一日も早く行動することが重要です。

この記事で詳しく書きましたが、知人が経営するネットショップは今では大人気店で大いに潤っているものの、起業して最初の7年間はほとんど稼げませんでした。いろんな施策を常に打ち出し続けて、たまたま目に留まったメディアが大きく取り上げたことで一気に広がり、そこから今の繁栄を謳歌しています。ですが、あの時メディアが取り上げることがなかったら?ifの世界を語っても意味がありませんが、違った未来があったのではないかと思ってしまうのです。

私は果物ギフトショップとフリージャーナリスト業から収入を得ています。ジャーナリスト業については運に助けられた部分が大きかったです。たまたまライターを募集している企業を見つけて拾ってもらい(一日で募集は締め切りとなりました)、たまたまライターの欠員を埋めるために原稿を書いてほしいとビジネス誌からお声がかかって仕事をもらうなど、そうした偶然と実績の積み重ねて次の仕事を取る、という繰り返しです。

今では複数の法人さまと契約をしてフルーツビジネスの専門家として記事を書いているのですが、昨年4月まで私は個人ブログでひっそりと書いている弱小ブロガーでしかありませんでした。8ヶ月ほどの間に色んな偶然や人の出会いでここまで運ばれてきたのは、実際に数多くの記事を書いて書いて書きまくってきたからだと思っています。まずは実際にデビューすることで、インプットだけでは得られない「市場からの評価」を得ることができます。

市場からの評価というのは、今どんな記事が世の中に求められているのか?書いた記事の反応はどうか?こうした需要を編集者や書いた後の読者から得られることで、需要に合う記事を書くことができるようになります。いつまでもインプットばかりをガリガリやるより、早くデビューして改善を繰り返すことです。私はいわゆる「ブログ塾」みたいなところに所属し、書き方のいろはを学んだ経験はありません。編集者の方から自分の書いた記事の反響を聞き、修正を頂く度にどのような記事が求められているのか?どのように記事を書くと読みやすいか?といった改善を続けてきました。

小さく産んで、当たったものを大きく育てる

雑誌・Pre-moに掲載された記事

私が運営しているネットショップ肥後庵では、毎日毎日小さな改善を積み重ねています。ページの読み込み速度の高速化や、説明文の読みやすさ、よりよい写真を撮影して差し替えるなどのマイナーアップデートの他に、新しい施策などもどんどん打ち出すようにしています。

新しい施策の内、ほとんどは空振りです。頭をひねり、データを分析して満を持して投下したサービスが誰にも使われずにお蔵入りになるということは日常茶飯事です。しかし、その反面 大きくあたるものも出てきます。その一つは「ギフト用フルーツ定期便」というサービスです。毎月旬のフルーツが送られてくるフルーツ定期便はどの果物業者でもやっていることで、特に目新しさはありません。

私はお客さまの声を一つずつ見て「出産内祝いなど高額なお祝いをもらったお返しに、毎月フルーツを送る定期便をギフトにすれば喜ばれるのでは?」と思いついてやってみました。すると瞬く間に注文が続き、先日もPre-moという雑誌の特集に掲載され、現役の産婦人科医であり、モデルやタレントとして活躍中の丸田佳奈さんのおすすめギフトとして紹介して頂きました。

ビジネスの施策があたるかどうかは、やってみないとわかりません。ものすごく時間をかけて作ったものがさっぱり反応がなく、逆に瞬間的にひらめいた思いつきが大きく売れることもあります。ですので、最初は経費をかけずに小さく 出して、当たったものを大きく育てるという発想を大事にしています。

ビジネスの戦果は市場からの評価

ビジネスは結果が全て、そこにどれだけの思いを込めているとしても売れなければ独りよがりだったと評価せざるを得ない厳しい世界です。

私がやっているフルーツギフトビジネスも、ジャーナリストビジネスも市場からの評価が全てです。お客さまや読者から反響が得られなければ、そこに価値はありません。一つ一つの施策や挑戦に一喜一憂せずに、とにかくバッターボックスに立ってバットを振り続けてヒットを出すことに集中することが大事だと思っています。その戦果はすなわち市場からの評価です。反響があれば正解、なければ次のヒットを目指してまたバッターボックスに立ちます。

三振空振りが怖いようではビジネスは出来ません。周囲から野次を飛ばされようが、構わずバッターボックスへ向かう心の強さと、小さく産んで大きく育てることが重要だと思います。

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。