みんなで休む「国民の祝日」はもういらない

内藤 忍

今日は建国記念の日の振替休日ということで祝日になっています。

毎日通勤する仕事をやめてから、曜日の感覚が薄れてきました。土日に講演やセミナーで仕事に出かける機会も増え、土日に仕事をして、平日にゆっくり休むことも珍しくありません。そんなライフスタイルが、気にいっています。平日のお休みだと、どこに行っても空いていてストレスなく過ごせるからです。

曜日だけではなく、国民の祝日も気にすることが無くなり、直前になって、ニュースやカレンダーを見て気がつくことも珍しくなくなりました。

今週のように週末が連休になると、一斉に休みを取る人が増えるので、どこも予約が取りにくくなります。ホテルの宿泊料金もアップし、行楽地に行こうにも道路は渋滞。平日とは全く異なる状況になります。だから週末に何かしようとすると、予めスケジュールを決めないで行動すると大変なことになってしまいます。計画的に行動するのが苦手で、思い付きで何かをすることが多いので、週末や連休は苦手です。

平日であれば、予約なしでも人気店に簡単に入れたり、平日限定の割引でお得に過ごすことができたりします。

日本の国民の祝日は今でもかなり多いと思います。しかし、日本の会社の多くは有休休暇が取得しにくい雰囲気になっています。会社勤務をしていたこともあるのでよくわかりますが、みんなが働いているのに休むことに抵抗を感じる人が多いのです。

だから週末の休みだけを使って休暇を過ごすことになるのですが、混雑して料金が高くサービスの悪い観光地に行っても、心からリラックスして楽しむことができないのではないでしょうか。

ホテルやレストランのような施設から見ても、お客さんが分散してきてくれた方が、平均の稼働率は上がり、経営は安定します。最近は人材不足で休日のピーク時に人を集めるのも大変になってきていると思います。

そう考えると、これ以上国民が一斉にお休みする「国民の祝日」が増えるのは、あまり良いこととは思いません。このような意見を書くと、小さな子供のいる家庭では、祝日にならないと家族全員で一緒に休めないという意見も出てきます。全員が納得できる解決案は無いのかもしれません。

しかし、価値観が多様化している中、一斉に休む国民の祝日ではなく、それぞれの人たちが分散して休暇をとる方が選択肢のある社会と言えます。日本でもっと豊かに暮らせるために、これから目指すべきなのは、国民の祝日を増やすことではなく、分散型の休暇でそれぞれが好きな時に楽しめる社会だと思います。

(スターバックスもお店によっては祝日はガラガラです)

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年2月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。