恋愛ではダメだけど、仕事は二股、三股してもいいと思う

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)という本の中で「100年人生論」が展開されました。望む、望まないに関わらず、これからは100年生きることを前提にライフプランを立てて生きていくことを私たちは余儀なくされています。

そうなると避けることが出来ないのは「仕事」の問題です。私が東京でサラリーマンをしていた頃は、入社して定年まで40年間きっちり勤め上げていく人をたくさん見送ってきました。高校、大学を卒業して定年退職までの40年間を同じ仕事で働いているわけです。

でも今後はそのような終身雇用で社員を抱える余裕のある会社はどんどんなくなっていくと思います。また、40年間という長期間働く時間があるのですから、複数の仕事を持ってあれこれ体験するという生き方もありなんじゃないかと思いますね!

恋愛ではダメでも、仕事は“浮気”しまくってOK

私は現在、色んなことに挑戦しています。フルーツギフトショップ の肥後庵を運営し、ライターやレポーターのお仕事、それから金融や仮想通貨など幅広く投資をしています。 これは「とにかく今は少しでもお金を稼ぎたい!」と思ってやっているのではなく、フルーツビジネスや投資、ライター、レポーターの仕事を好きで好きで面白くてたまらないと思い、あれこれやっていて気がついたら今のようになっていたという感じです。

そのようにいうと「いろいろやって人生楽しそうだねえ~!」といった具合に概ね肯定的に受け取られるのですが、時には「地に足がつかない生き方で、プロフェッショナリズムに欠ける」と言われてしまうことがあります(笑)。そのような人は「仕事は一つだけを集中するべき」という考えを持っているのでしょう。

でも私はやっていることの全てに全力全開で取り組んでいるつもりです。万人に当てはまる絶対に正しいことだと押し付けはしませんが、一意見として言わせてもらえば「一度きりの人生、色んな仕事をあれこれ経験するのもありなんじゃないか!?」 と思っています。恋愛で浮気は絶対にNGで例外なく受け入れられるものではないと思うのですが、仕事についていえば大いに浮気をして二股、三股、いやいや四股をしてもOK!と考えています。

人生とは才能を見つける旅

これはどこで聞いた言葉なのか忘れてしまったのですが「ほとんどの人は真の能力よりはるかに低いレベルで落ち着く」という言葉に衝撃を受けたことがありました。

人間はみんなそれぞれ得意、不得意な分野があります。仕事がぜんぜんできない人も、有能な上司が上についた途端にめちゃめちゃできるようになる人、サラリーマンとして パッとしなくても起業して大成功してしまう社長業向きの人、それから日常生活がめちゃめちゃだけど芸術の道では天才的な力を発揮してしまう人です。みんな必ず、絶対に、100%人より秀でた何らかの分野を持っています。

それなのにその真の能力を発揮する機会に恵まれる人は多くありません。私の知っている人はコミュニケーションの達人なのに、工場で働いています。人前に出てセールスマンをすれば商材にもよりますがガンガン売りまくるでしょう。でも、彼は「自分には才能がない。工場の仕事が向いているんだよ」と言っているのです。はたから見るとあまりにももったいないと思ってしまうのですが、本人はそれに気づくことはありません。

実は私も同じでした。アメリカの大学へいって会計学を学び、複数の会社でその知識を使った仕事をしたのですが努力に見合う結果は出ませんでした。しかし、今取り組んでいる仕事はとても楽しく、そして今のところは満足の行く成果も出ているように思っています。これは私が持っている才能と、取り組んでいる仕事がガッチリ歯車のように噛み合ったからです。あのまま会社で経理や財務の仕事だけをしていたら人生は変わっていたでしょう。

物事はやってみないと本当に分かりません。仕事というものを通じて才能を見つけていくことを考えると、 自分に合うものを見つけるには、大いに浮気をして色々仕事をしてみないと分かりません。人生とは才能を見つける旅です。生きている内に自分の才能を発見できるか?輝く人生になるかどうかはそこにかかっているのではないでしょうか?

人生はいつからでもやり直せる

私は社会人になった頃、仕事の先輩方から「人生を変えられるのは20代の間だけ」「専門性を1つに絞り、深化させるのがキャリア」という「社会の常識」をずっと聞かされてきました。あまりにも色んな人からこの話を聞かされたことで、当時の私はずいぶん恐怖を感じたものです。「後2年で20代が終わる。本当にこの分野でいいのか?」「この転職で一生の専門性が固まってしまう」と怖くてたまりませんでした。

コツコツと積み上げてきた経理・財務のキャリアですが、30代に入ってから「フルーツギフトビジネス」「ビジネスライター」というまったく異なる仕事をすることになりました。これは耳にタコができるくらい聞かされ、そして従ってきた「常識」を逆行する行為で、最初の一歩を踏み出すのは怖かったのを覚えています。

「複数の仕事なんて浮ついていてダメだ」というのは確かに「常識」です。1つの専門分野を深化させていくキャリアの積み方は合理的ですし、多くの人に向いていると思います。しかし、私のようにあれこれ関心が出てしまい、実際にやってみたいという気持ちを抑えきれない人はそんな常識から一歩踏み出して生きるのも悪い選択肢ではありません。

(自分の人生や仕事はこのままでいいのかな…)そんな疑問を感じながら日々を過ごしている人こそ、自分の心に耳を傾けてみませんか?人生は長いようで短いのです。仕事は二股、三股してやりたいことをやり尽くしちゃいましょう!

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。