今朝の新聞に、東京ミッドタウンの近くにできた新しい高層マンションのチラシが入っていました。
先月完成したばかりの新築の分譲価格は、80平米足らずの広さで約3億円(写真)。かなり高いです。少なくとも、普通に仕事をしているだけで買える価格ではありません。
このチラシが面白いのは、同じ物件の賃貸物件も同時に掲載されていることです。フロアは少し下になりますが、ほぼ同じ広さの部屋の家賃は、670,000円でした。これを分譲価格の3億円から計算すると、表面利回りは約2.7%となります。これでは投資利回りとしては物足りません。
ではもし、この物件を賃借して、代わりに3億円分の中古ワンルームマンション買ったらどうなるでしょうか。
私が先月、同じ六本木駅の近くに購入した中古ワンルームマンションの表面利回りは約5%でした。管理費や修繕積立金を差し引いたネット利回り(手取りの金額から計算した利回り)を堅めに見積もって4%としても、3億円分購入できれば、年間1200万円の家賃収入が入ってきます。
新築の家賃は年間800万円ですから、年間400万円の差額が得られることになります。
上記は税金や諸費用を完全には考慮していない単純計算ですが、都心の新築マンション価格が割高であることはわかります。
都心の新築マンションの価格には新築プレミアムと呼ばれる価格の上乗せがあります。また、このようなファミリータイプの広めの部屋は、経営者などの富裕層が購入者の中心で、投資目的で利回りを狙うというよりも、資産性や相続メリットが購入動機になっているのです。
東京の都心部の不動産といっても、利回りから割高・割安を計算すれば、何を買うべきかが見えてきます。一概に「東京は割高」と決めつけるのが間違っていることがわかります。
新築マンションが割高なのか、それとも中古ワンルームが割安なのか。その結論は数年後に明らかになると思いますが、同じエリアでも、価格にこれだけの「歪み」があるのが、不動産という実物資産の面白いところです。
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編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年3月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。