森友学園文書の書き換え疑惑、次はこうなる!

3月2日、森友学園をめぐる公文書書き換え疑惑を朝日新聞が一面トップで報じた。森友学園の国有地取引をめぐる財務省の決裁文書が、決裁後に書き換えられた疑いが浮上したのだ。

朝日新聞によれば、以下の通りだ。契約当時の文書には、学園とのやり取りを時系列で書いた部分や、学園の要請への対応が書かれていた。だが、開示文書では削除されるなどしているという。

両文書とも起案日、決裁完了日、番号は同じ、決裁印もともに押されているという。つまり、公文書偽造だ。れっきとした犯罪である。

これは、どういうことか。自民党幹部に聞いてみると、「おそらく財務省内からのリークではないか」と言う。財務省の官僚が、元の文書を朝日新聞に渡したらしいという。内部告発の可能性があるのだ。財務省内で、混乱が起きているようだ。9日には、財務省の森友担当の職員が自殺したことが明らかになっている。

大阪府の国有地が、鑑定評価額から8億円以上値引きして、森友学園に売却された。これは財務省が、安倍首相に「忖度」したとされている。

この件に関して財務省は、話し合いはなかった、文書は捨てた、としてきた。8億円の値引きについての話し合いがばれるとまずい。だから、その過程が書かれていた元の文書を書き換えた。つまり、当時の理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官の「文書は破棄した」という国会答弁は嘘だった、ということになる。

こうした事態に憤った官僚が、情報をリークしたのだろう。元の文書については、裁判中のため手に入れられない、と麻生太郎財務大臣は答弁している。しかし、これは嘘だろう。国会は国の最高機関だ。裁判中であろうと、請求すれば文書は入手できるはずだ。

「調査中」とする財務省に対し、野党は「ゼロ回答だ」として反発。8日の参議院予算委員会を欠席した。二階俊博自民党幹事長も、「書き換えが事実なら、政府に抗議する」と述べている。

財務省も麻生大臣も、ことの深刻さがまったくわかっていない。朝日新聞は、元の文書を入手しているようだ。そうでなければ、あのような報道はできないだろう。元の文書の写真を掲載し、さらに詳細に報じることもできるかもしれない。

繰り返すが、公文書偽造はれっきとした犯罪だ。安倍内閣は大きなピンチを迎えている。


編集部より:このブログは「田原総一朗 公式ブログ」2018年3月15日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた田原氏、田原事務所に心より感謝いたします。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、「田原総一朗 公式ブログ」をご覧ください。