画像や文章を盗作するサイト制作業者は姿を消す事になる

こんにちは!肥後庵の黒坂です。

先日、私の運営するフルーツギフトショップ「肥後庵」から、商品写真やキャッチコピーなどの文章がパクられているのを目にしました。こんな事を言うと「それって黒坂の被害妄想では?」と思われるかもしれませんね。いやあ、私もパクられているのを見て、「いや、これはパクられているのではなく、たまたま似てしまっただけなんだ」と前向きに解釈するように努めてみたのですが…ダメでした。どこからどう見ても100%パクっています。

商品写真などは本当にひどくて、うちの写真をコピーして加工し、あたかもパクっていないかのように見せていますがバレバレです(笑)。キャッチコピーや商品説明文もほとんど同じで、パクり以外の何者でもありません。今回のようにネットショップやブログ運営者は、コンテンツを第3者にパクられる被害に遭うことがあります。

せっせとページから画像や文章をパクっているサイト制作業者は、残念ながらビジネス界でいつまでも生き残ることは出来ません。必ず、ビジネスの世界から姿を消していくことになるのです。

パクられた側は感情的に腹が立つ

私はパクられているのを初めて見た時、正直かなり腹が立ちました。商品写真は自分で撮影することもありますが、だいたいプロにお金を渡して撮影しています。それをコピーして、パクりがバレないように加工して使うなんて、「人としてどうなの?」と思ってしまいます。「一体、どんなやつが運営しているんだ?」と思い、販売者情報を見てみました。そうしたら…農作物を手に持ってにっこり笑う高齢のおじいちゃんおばあちゃんが出てきたのです。どう考えてもうちのコンテンツをパクったのはこのおじいちゃん、おばあちゃんではありません。おそらく犯人はショップの制作業者でしょう。

そうなると私が訴えを起こしても、パクり事実を知らないおじいちゃんおばあちゃんをびっくり仰天させてしまうだけです。心情的に腹は立ちますが、もういいやと思いました。そんなことをしてもきりがないからです。訴えを起こして写真や文章を取り下げさせても、時間が経てばまた別のサイトがパクるかもしれませんし。それに考え方によっては、パクられているということは「自分たちが評価されている」と考えることが出来ます。うちのコンテンツに何かしら魅力を感じたからこそ、パクられたのだと心を落ち着けることにしました。

パクられても肥後庵は損をしない

私は肥後庵の画像や文章をパクられても、大きな損失は出ないと思っています。なぜかというと、今回のパクった相手は肥後庵と競合しないと考えるからです。

当店のお客様はギフト用途でのお買い物が9割を超えており、自宅用途での購入は全体の1割にも満たないのです。それに対して、今回のパクり先のサイトは家庭用に買うお客さまをターゲットにした作りで、うちとはまったくバッティングしないのです。当店の売上がこの業者に流れることはないと考え、サイトの画像や文章をパクられて私が困ることはないと判断したわけです。

「今回はフルーツギフト業者の仕業ではなかったみたいだけど、今後、肥後庵と同じフルーツギフト業者にパクられたら被害が出るのでは?」と思われるかもしれませんが、その場合でも問題ありません。贈答用フルーツを扱っている業者は、自宅用フルーツ業者に比べてかなり数は限られます。贈答用フルーツとなると、高級果物の仕入れが出来る老舗店が多く、そのような企業がパクることはほとんど考えられませんし、万が一パクるような事があったとしても後述する理由で問題ないと思っています。

パクり業者はやがて姿を消すことになる

平気でパクりをしてしまうビジネスマインドでは、商売は継続できません。今回のパクリ業者は他のサイトも平気な顔をしてパクっていることでしょう。私はスルーしましたが、中には訴えを起こすところも出てくるかもしれません。今は悪い評判はあっという間に広がってしまいます。そんな信用を落とすようなことをして、10年、20年と長い期間厳しいビジネス界を生き残っていけるでしょうか?

また、ビジネスとは徹底的に価値提供です。他と同じことをしてもそれは単なる横並びで価値提供にはなりませんから、お客さまから選ばれる理由にならないわけです。そうなると客足は遠のき、安売りでしか呼び込みが出来ず、資本力のある会社がライバルになった瞬間に「終わり」です。

私は「お客様の眼力」を信じています。つまり、肥後庵とパクり先サイトを見比べた時に、お客様はオリジナルの肥後庵の方を支持してくれると思っているわけです。ネットショップは統一感がすごく重要です。デザインが素晴らしいのに、その一方で文章が稚拙ですと高級感がありませんし、その逆も然りです。パクる人は色んなところから切れ端を寄せ集めているので、出来栄えがちぐはぐになってしまい、サイトを見ているお客様にとっては違和感たっぷりでしょう。違和感のあるサイトに大事なお金を払って買い物をする人はいません。

肥後庵は他のサイトを参考にすることはあっても、パクることは断じてしていません。ですので、デザインや文章などは、ほとんど自分の頭から取り出し、制作も自分自身の手で統一感を持たせるように作っています。商品写真は自分たちや業者にお願いして撮影していますし、イメージ画像はフリー素材を使うなど問題ないようにしています。パクりサイトと比較するとお客様から見てみれば一目瞭然の違いがあるでしょう。

結局、自分のビジネスは自分自身で売る力を付けて生き残るしかありません。中国や韓国で日本の漫画やアニメのパクりキャラクターが紹介されていることがありますが、どこかおかしくて気持ち悪いと思いませんか?それと同じです。色んなサイトからパクり品を寄せ集めて並べても、絶対に違和感があります。

商売は徹底的にお客さまのことだけを考え、知恵を絞り、どうすれば喜んでもらえるのかを考える活動です。パクりで手軽に済ませたい、という自分本位の考えでは到底生き残ることは出来ないと思います。

黒坂 岳央
フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」 代表

ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。