結局「糖質制限」は体に良いのか?悪いのか?

東北大学の糖質制限に関するマウス実験が、話題になっています。

ヤフー!ニュースに掲載されていた日刊工業新聞の記事によると、次のような結果になったそうです。

 マウスに、脂質、糖質、たんぱく質のバランスが日本食に近い「通常食」と、炭水化物を脂質とたんぱく質に置き換えた「糖質制限食」のどちらかを与え、両群20匹ずつを使って実験した。

人間の70代後半以降に相当する54週齢のマウスの学習機能テストでは、明るい部屋にマウスを入れ、暗い部屋へ移動すると電気ショックを受けることを学習させる。通常食を食べたマウスは、平均して200秒ほど明るい部屋に留まっていたのに対し、糖質制限食のマウスは130―150秒程度と、学習機能の低下が見られた。

48週齢のマウスの見た目を比較すると、糖質制限食を食べさせ続けたマウスは皮膚や見た目の老化が見られ、寿命も短くなっていた。

糖質制限したマウスの方がしないマウスよりも老化が早く、寿命が短くなったという実験結果になっています。

しかし、この実験には、次のような問題があるという指摘が専門家から出ています、

1.マウス実験では、極端な糖質制限をしている可能性があり、炭水化物ゼロと通常を比較するのは、現実的ではない。

2.マウスと人間は食生活が異なり、マウスで老化が進んだからといって、人間も同じとは限らない可能性がある。

食に関するこのような研究結果で気をつけるべきことは、〇か×かという二者択一にしてはいけないということです。どんなに体に良いものでも大量摂取すれば害になることもあるでしょうし、有害とされる食品にも有益な栄養素が入っている場合もあります。

例えば、糖質は制限した方が良いとしても、全く摂取しないのは、マイナス面が大きくなる可能性があります。また、体に良いとされるビタミンも、サプリで大量摂取すると健康に悪影響があるとされています。

良いか悪いかではなく、バランスの問題なのです。絶対的に体に良い食べ物などありません。そして、食べ物の中には、まだ科学的に解明されていないだくさんの物質が含まれています。

糖質制限に関しては、極端にカットするのではなく、ゆるく制限する今の方法を続けるのがベストではないか。今回の東北大学の発表を聞いて、そう思いました。

決して、ステーキの後にガーリックライス(写真)を食べたことを、正当化しているわけではありません(笑)!

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2018年3月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。