【映画評】ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

渡 まち子

居残りを命じられた高校生男女4人は、学校の地下室でジュマンジという古いゲームを見つける。プレイしようとキャラクターをチョイスした瞬間、彼らは選んだ人物(アバター)に変身し、ゲームの世界であるジャングルへと移動してしまう。現実とは全く違うキャラクターになった彼らは、カバやジャガーなどの野性の猛獣と遭遇。危険にさらされながらなんとか逃げるが、ゲームをクリアして現実世界に戻らねばこの世界で消滅してしまうことを知り、それぞれのスキルを活かして協力することになる…。

不思議なゲームの世界に入り込んだ高校生たちの運命を描くファンタジー・アドベンチャー「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」。1996年の「ジュマンジ」に続く物語だが、ゲームの世界に放り込まれ、ジャングルの中でサバイバルするという設定を理解していれば、前作未見でも楽しめるように作ってある。4人の高校生の男女は、現実とは正反対のキャラになるため、ルックスもスキルもとまどいながら受け入れていくしかない。ゲームのルールで、3度失敗するとゲームと現実の両方で命を失ってしまう設定なので、なかなかハラハラさせられる。

気弱なゲームオタクの青年が、筋肉むきむきのドウェイン・ジョンソンになっていたり、自分大好きなうぬぼれ美人の女子高生がデブオヤジのジャック・ブラックになったり。もうこのギャップだけで楽しくてたまらない。入れ替わりもの特有の面白さで笑いを誘うが、ゲームの中でサバイバルするうちに、自分自身を客観視し、仲間と助け合い、困難を克服しながら目標に向かって努力することを学ぶ展開は、いたって王道の、しかも出来が良い青春成長物語だったりするのだ。理屈抜きで大笑いしているうちに、知らぬまにじわっと感動させられていたとは。こんなに良くできた楽しい続編は久しぶりだ。ちなみに96年版には今は亡き名優ロビン・ウィリアムズの姿も。本作を見て楽しんだら、ぜひ96年版も見てほしい。
【80点】
(原題「JUMANJI: WELCOME TO THE JUNGLE」)
(アメリカ/ジェイク・カスダン監督/ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケヴィン・ハート、他)
(エンタメ度:★★★★★)


この記事は、映画ライター渡まち子氏のブログ「映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子の映画評」2018年4月8日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は公式Facebookページから)。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。