しばしば下駄の雪と揶揄されることがある公明党だが、私は公明党には一般庶民の代表としての役割をしっかり果たしていただきたいと願っている。
与党の一員として、どんなことがあっても政権を支える側に回らざるを得ないことは重々承知しているが、しかし、政権が暴走しそうな時は、これを座視することなく、しっかりブレーキを利かせて欲しい。
麻生財務大臣は、安倍総理の国会答弁との辻褄合わせのために決裁済み文書の書き換えや様々な文書の廃棄処分に走った財務省理財局や近畿財務局の職員に対して、これらの行為は当該職員の個人的な非違行為であり、組織的な改竄や廃棄はなかった、と認定して、今月中にこの問題についてケリを付ける意向のようだ、と報道されているが、そういうことで大方の国民が納得すると思っているのであれば、大変な心得違いである。
公明党の幹部の方々から、この問題は財務省の職員だけでなく最高責任者の財務大臣の責任も問われる重大な問題だ、という指摘がなされているのは、当然である。
安倍総理や自民党の執行部の方々は、財務大臣の責任を問うことには消極的なようだが、大方の国民は、そういう責任逃れを許さない、と見ておいた方がいい。
公明党が本気で麻生財務大臣の責任問題について言及すれば、自民党の執行部も動かざるを得なくなるはずである。
公明党の良識と力量が問われる大事なポイントである。
もっともっと公明党の方々には大きな声を上げていただきたい。
漢字の読み違いは仕方がないが、民心の読み違いだけはしないでいただきたい。
自民党の「この際、一気に正面突破作戦」は成功するか否か
「悪材料を全部まとめて、一気に燃やしてしまえ」作戦とでも言ったらどうだろうか。
どうやら自民党は腹を括って、正面突破作戦に切り替えたようである。
こんなに悪材料が揃っているのに、よくやるなー、と思わざるを得ないが、当面、国政選挙がない、というのが自民党の強みなんだろう。
森友学園問題も加計学園問題も普通なら内閣が吹き飛ぶような問題なのだが、それに輪をかけるような自衛隊日報隠し問題等が発覚しているのに、カジノ実施法案・高プロ法案等の対決法案の強行採決などを行い始めた。
通常国会の会期末が近くなったので、この際一気に正面突破することにした、ということだろうか。
選挙らしい選挙と言えば新潟県の知事選挙くらいしかない。
新潟県知事選挙の一つくらい落しても構わない、という大局的判断に立ってのことかしら、と下衆の勘繰りをしているところである。
まあ、弱小野党が束になってかかってきても、今は大したダメージは受けない、ダラダラとやって来年の参議院選挙に悪影響があっては困る、という深謀遠慮からの大博打の一種なんだろうが、さて、どういうことになるか。
悪いことは、安倍内閣の内に全部やってしまえ、などと考えているとしたら、二階さんは相当のワルだなあ、ということになる。
これが、安倍三選はないと踏んだうえでの正面突破作戦だとしたら、いやあ、二階さんはやはり大したものだ、ということになるのだが…。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2018年5月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。